三田村 啓理

mitamura_hiromichi

フィールド科学教育研究センター 海洋生態系部門
海洋生物環境学分野 教授
E-mail:mitamura.hiromichi.2x*kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
業績など(研究成果)

(2020-06-23公開)

1.研究分野
 超音波バイオテレメトリー(発信機を動物につけて移動を追いかける技術)を駆使して、水産資源動物や絶滅危惧種を対象に国内外で幅広く研究活動をおこなっています。主に対象動物が”いつ””どこで””何をしているか”を調べています。

(1)多くの水圏生物に共通する回帰・固執行動
水圏生物を取り巻く様々な問題の中でも、生息地や産卵場等のある地点への固執および回帰に関する問題は、幅広い学問分野から注目を集めています。母川回帰を行うサケ・マス類、母浜回帰を行うウミガメ類、そして産卵場回帰を行うカレイ類が典型的な例として広く知られています。これまでに、本邦の沿岸域に生息するメバル属魚類も同様に、生息地に固執するとともに、生息地から 3~4km 離れた地点に移送放流しても直ぐに生息地に回帰することを発見しました。水圏生物の固執・回帰行動の理解を目指して、メバル属魚類を中心に、カサゴ、キジハタ、ニホンウナギ、チャネルキャットフィッシュ、イセエビなどの固執・回帰行動のメカニズムの解明に取り組んでいます。

(2)沿岸や河川に生息する資源魚類の移動生態
海と河川を移動するニホンウナギやスズキ、サケ・マス類などの移動生態について研究をおこなっています。海や河川のどこに生息しているのか、そしてなぜ海や河川を離れるのかを調べています。また2011年の東日本大震災によって壊滅的な被害を受けた福島県の沿岸漁場において、重要水産資源であるマアナゴ、ホシガレイ、ヒラメなどの移動生態研究にも取り組んでいます。

(3)絶滅危惧種メコンオオナマズの移動生態
タイ国水産局の要請を受けて絶滅危惧種メコンオオナマズの生態研究を約20年にわたり展開してきました。メコンオオナマズはメコン川流域の固有種で、体長3m、体重300kgに達する世界最大級の淡水魚であり、重要な水産資源でもあります。タイ国水産局とともに引き続きメコンオオナマズの生態を解き明かしていこうと思います。

(4)超音波バイオテレメトリー技術の開発・高度化
個体レベルではなく、従来困難とされた群れ、個体群レベルで行動をモニタリングできる技術の開発に取り組んでいます。開発した技術によって、クロマグロなどの高度回遊性魚類の群れ行動を世界に先駆けて研究しています。

2.好きなもの,趣味
 魚釣り

3.その他
 いつもワクワクしていたい。


(フィールド研における経歴とページ履歴)
2020-04-01 海洋生態系部門 海洋生物環境学分野 教授 着任
2020-06-23 研究紹介等を公開
2024-03-05 教育研究活動DBへのリンクを修正