杉山 賢子

sugiyama_yoriko
フィールド科学教育研究センター森林生態系部門
森林情報学分野 助教
北海道研究林
E-mail:sugiyama.yoriko.3f*kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)
業績など(教育研究活動DB)

1. 研究分野
 専門は,菌類生態学です。
 菌類は,寄生・腐生・共生を通じて動植物や菌類,藻類といった多様な生物と相互作用をしています。私は,そんな菌類と他の生物の相互作用が菌類自身の個体群・群集動態や森林動態に与える影響に興味を持ち,研究を行っています。

 これまでは,主に,植物共生菌である外生菌根菌を対象に,菌類の分布と宿主植物の関係を研究してきました。

 興味のあるテーマ

1. 外生菌根菌の群集・分布と宿主
 外生菌根菌は宿主なしでは生育できません。加えて,外生菌根菌の中には,マツタケに代表されるように,特定の植物分類群にしか感染できないという「宿主特異性」を持つものがいます。そのため,「どこにどんな外生菌根菌が定着・分布できるか」は,「どこにどんな宿主樹種がいるか」の影響を強く受けます。私は,このような外生菌根菌の分布と宿主の分布の関連について,空間スケールを変えて研究を行っています。
これまでの研究では,フィールドワークとDNA解析を組み合わせることで,異なる樹種組成の林間で,外生菌根菌の群集組成や地理分布パターンが異なることを示しました。また,データベースに登録された世界中の外生菌根菌の出現データを解析することで,宿主特異性の強さによって全球的な分布域が異なる可能性があることを示してきました。

2. 森林動態に対する菌類の影響
 菌類は,森林において,植物への寄生や共生,難分解物質の分解といった独自の機能を果たしています。そのため,どこにどんな菌類がいるかは,樹木の定着を促進/阻害したり枯死を引き起こしたりして,森林の動態に影響を及ぼすことが考えられます。
 これまでの研究では,絶滅危惧種の樹木と共生している外生菌根菌を調査し,宿主の実生更新に重要な役割を果たすと考えられる外生菌根菌種の記載や分布の調査を行いました。
 これからは,外生菌根菌以外の機能群も対象に,森林動態に対する影響の評価を行っていきたいと考えています。

2. 好きなもの,趣味
 きのこ,阪急電車,変わったキャラクター。

3. その他
 菌類はまだまだわかっていないことの多い分類群です。一緒に,菌類の謎に取り組みましょう。
 研究について詳しくは,個人ウェブページをご覧ください。


(フィールド研における経歴とページ履歴 情報整理)
2022-05-01 森林生態系部門 森林情報学分野 助教