ドローンから撮影した画像から深層学習で樹種を識別

2018年4月27日、伊勢武史准教授らによる研究論文がプレプリント・サーバー arXiv で公開されました。

Onishi, Masanori; Ise, Takeshi
Automatic classification of trees using a UAV onboard camera and deep learning
(ドローン積載カメラと深層学習による樹木の自動識別)
arXiv: 1804.10390 (2018)

https://arxiv.org/abs/1804.10390

 大西信徳(農学研究科 修士2回生)と伊勢武史(フィールド研 准教授)は、上賀茂試験地においてドローンから林冠付近を撮影し、その画像を深層学習に用いることで、樹種の識別が可能であるか研究をおこないました。落葉広葉樹、常緑広葉樹、メタセコイア、ヒノキ、スラッシュマツ、ストローブマツ、その他(下層植生や人工物)の計7クラスに分類して学習させた結果、89.0%の精度で識別できるようになりました。従来の人工衛星や航空機からの画像解析やライダー(LiDAR (Light Detection and Ranging): レーザーを照射しその散乱光を受信することで対象物体の正確な位置、形状や性質を測定する技術)による解析よりも低コストで柔軟に調査できる新たな森林モニタリングツールとしての利用が期待されます。

 この論文の内容は、2018年3月に開催された日本生態学会第65回全国大会で「人工知能は樹種を識別できるのか~ドローンと深層学習を用いた上空からの挑戦~」として一般講演(ポスター発表)されました。日本語での抄録はこちらでご覧いただけます。
 また、MIT Technology Review の英語版ページ日本語版ページで紹介されました。あわせてご参照ください。