新人紹介 益田 玲爾

里海生態保全学分野 教授 益田 玲爾

 この4月から里海生態保全学分野の教授に着任しました。助手として舞鶴に来たのは2000年4月ですので、新人と称する鮮度でもありません。前任地であるハワイの研究所の上司は、「いつでも帰って来い」と送り出してくれたのですが、舞鶴の魚はおいしく、山の緑は濃く、また寛容な上司と優秀な同僚や学生に恵まれて、楽しく過ごしてきました。
 20年前のこの時期、当実験所の学生に溺水の事故がありました。調査船から海に入って泳ぎ溺れたとのこと。所内に救急車が入ってきたので驚いて研究室を飛び出したところ、「あなたも乗って」と言われてそのまま病院に行きました。学生は集中治療室に3日入り、幸い命をとりとめました。それを機に「危機管理マニュアル」を作成し、現在は甲斐助教が大幅に改定した「安全管理マニュアル」として機能しています。
 フィールド研の発足後間もない2004年、本学総合博物館で企画展を開催した折には、展示パネルの案を練るために、森林の先生方のお話しをうかがって回りました。森林研究の時間スケールには驚くばかりでしたが、海の中にも長期にわたり観察すべきものがあると気づきました。
 企画展の資料作成で参考にしたのが、畠山重篤先生の一連の著作です。2006年に拙著『魚の心をさぐる』を出版した折には、厚かましくも書評をお願いし、素敵な評を頂きました。2011年の大津波以降は、その畠山先生の依頼に応じて、気仙沼舞根の海の様子を潜水により記録しています。
 最近よく見る夢は、「今日がハワイで最後の1日。さて何する?」というものです。このところ南の海で潜る機会が減ったせいでしょうか。「今日が舞鶴水産実験所で最後の1日」のつもりで充実した日々を送りたいと思います。

ニュースレター51号 2020年7月