和歌山研究林における地域の学校への取り組み

和歌山研究林  上西 久哉

 和歌山研究林では毎年、地域の学校と連携して森林に関する学習を実施しています。小学校には主に天然生林での樹木学習、スギ・ヒノキ人工林でのノコギリを使った間伐体験を行い、中学校に対しては職業体験学習の受け入れ先として、森林調査や素材生産など、その時期に実施している業務を一緒に行います。高等学校について、2002年度から有田中央高等学校清水分校と連携して、3年生を対象とした学校設定科目「ウッズサイエンス」(2単位:選択)を開講しています。本科目は、毎週火曜日の5・6限にあたる約2時間の授業で、年間で約25日開催します。内容は、本学教員による講義や野外調査実習、当研究林技術職員による作業実習(コンパスやレベルを用いた測量、プロット設定や毎木調査、チェンソーや大型機械を操作した素材生産など)を実施します。生徒にとっては初めて学ぶ内容が多いため、説明や指導をすることの難しさを毎年感じていますが、これまでの受講生の中から林業関係の職場に就職し、現在も活躍されている方がいるということは、本科目を継続していくうえでの励みになっています。
 当センターと有田中央高等学校の二者においては、2014年3月に連携協力に関する協定が締結され、また、2021年3月には、有田川町と有田川林業活性化協議会を含む四者において、林業振興及び人材育成に向けた包括連携協定が締結されました。
 今後も、自治体や林業事業体からの協力を得ながら、地域の学校の教育活動と人材育成に貢献したいと思います。

ニュースレター62号 2024年 2月