徳山試験地における周南市との連携事業

森林環境情報学分野 中島 皇


 試験地では2010年から地元周南市との連携事業を開始しています。2008年度に「ふるさと文化財の森(檜皮)」に選定(ニュースレターNo14参照)されたことと、試験地が元々徳山町(当時)から土地の寄贈を受けてスタートしたことが大きな契機になっています。特に2代目試験地は現在の周南西緑地にあって、京都大学演習林が植えた樹木が今も立派に生育しており、市民の憩いの場となっています。

 文化庁の「ふるさと文化財の森」に選定されたことで、試験地と周南市教育委員会との情報交換が行われるようになり、市民を対象とした見学会などを開催するようになりました。教育委員会から「公園花とみどり課」を紹介頂いて、同課が事務局となり西緑地で2008年度から継続されてきた「みどりの案内人養成プロジェクト」の特別講座として、年3回の講義とフィールド見学を徳山試験地で行う計画を立てました。ふれこみは「京大の全学共通科目である森里海連環学や森林学の講義を1コマ(90分)無料で聴講できる。」です。次年度にも形は変わっても3回の講義を行うことが約束され、2011年度にはフィールド研・周南市の連携講座として3回の講義が実施されました。

 周南市との連携事業における講師・テーマ一覧
2010年度
 中島 皇  森里海連環学
 吉岡崇仁  森・里・海と人々のつながり
 坂野上なお 木材を使うこと~今・昔
2011年度
 柴田昌三  森里海連環学からみた里山
 向井 宏  海を守る森
 嵜元道徳  スギ、来た道と生態

 受講者の皆さんは熱心で、講義でも講義後のフィールドでも沢山の質問が出て、森のみならず周りの自然に対する関心の高さが感じられます。参加者からは来年度の継続を期待する声も頂いており、周南市とも協議して継続できるように努力しているところです。

ニュースレター25号 2011年12月 社会連携ノート