NaGISA 世界会議2006

海洋生物多様性保全学分野 白山 義久


 NaGISA(Natural Geography In Shore Area)プロジェクトは、世界中に生息する海洋生物の多様性、分布、個体数を評価し解明するために企画された科学研究プログラムである海洋生物のセンサス(Census of Marine Life, CoML, http : //www.coml.org/)プロジェクトの中のひとつのフィールドプロジェクトである。白山が研究主任を務め、瀬戸臨海実験所を本部として北米・南米・東南アジアなどを中心に、すでに20カ国以上が参加している国際プロジェクトでもある。

 NaGISA世界会議2006は、このプロジェクトの中間段階のまとめとして、2006年10月15-18日の4日間、神戸国際会議場を会場として開催された。本プロジェクトの世界中の参加者が一堂に会して、現在までの成果を報告し、今後のプロジェクトがより効果的に推進できるよう、参加者間で活動方針を討議することを主たる目的とした。またさらに分類学者との協力体制の確立と長期間のモニタリングを実現するための方策の検討にも重点をおいた。

 会議は27カ国から122名の参加があり、成功裏に終わった。講演は口頭発表が44題行われ、特に会議中に、東南アジア5カ国(フィリピン・インドネシア・ベトナム・マレーシア・タイ)からの参加者が19名を数えたのは、画期的だった。これらの参加者のうち14名は、日本財団助成事業からの助成を、また5名は日本学術振興会からの助成を受けた。これらの参加者は、口頭発表9題、ポスター発表10題を行った。

 会議において発表された論文は、査読を行ったうえで、受理可能と判断されたものについて、Publicationof Seto Marine BiologicalLaboratory, SpecialSeriesとして2007年3月に印刷公表される予定である。

ニュースレター9号 2006年12月 研究ノート