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学生実習

京都大学「ユネスコチェアフィールドワーク:水と森と社会」実習報告

 2026年7月10-11日の日程で京都大学のユネスコチェアフィールドワーク:水と森の社会が行われ、留学生を含む18名の学生が参加しました。この実習は、京都大学「持続可能な開発のための水・エネルギー・災害管理(WENDI)」ユネスコチェア・プログラムと農学研究科との共同開講によるものです。森林・水生生態系と社会が交差する課題をめぐり、学際的な学びを提供することを目的としています。

 1日目は、美山かやぶきの里を見学して、茅を活用した日本の伝統的な建築物(かやぶきの家)や、かやぶきの里の景観などについて学びました。研究林到着後はクラブにて学生たちが自己紹介を行いました。そのあとに、石原先生より「Harmony between humans and forests. A Lesson from the Ashiu Forest Research Station」と題し講義 がありました。

 2日目は、斧蛇館見学をしたあとに、研究林内に移動しました。林内では坂野上先生の解説のもと、中山神社、木地師の屋敷跡、大カツラを見学しました。学生たちは芦生研究林の自然や、昔の木地師の暮らしを通して、森と人との関わりについて学びました。林内見学の後に、株式会社北桑木材センター(原木市場)に移動し、同社社長の田淵様に市場や木材の解説をしていただきました。

 今回の実習は、学生たちが森と人との過去から現在までの社会的な繋がりを学び、未来に向けて新たな知見を養うための、大変実りあるものになりました。

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学生実習

京都府立林業大学校「森林科学Ⅰ」実習報告

6月12日に京都府立林業大学校の実習が行われ、10名の学生が参加しました。「森林科学Ⅰ」という科目の一環で行われた実習です。京都府立林業大学校は、2012年に設立された西日本初の林業大学校です。詳細につきましては京都府HPよりご確認下さい。

 当日は資料館で簡単に芦生研究林の解説を行った後に、杉尾峠から長治谷までの上谷エリアを歩きつつ技術職員の宮城(京林大卒業生)が主に解説を行い、同職員の太田が安全管理を行いました。上谷での見学を終えたあと、大カツラで解説と見学を行いました。

 事前に当研究林の石原准教授が、京林大で気候と植物の分布・遷移・森林生態系と生物多様性等について講義を行っており、座学での学びを実際に山に入り観察することで、より学習を深化させる狙いがあります。

 杉尾峠までの道中では、研究林概要、シカ害、暖温帯から冷温帯への植生の変化(暖かさ指数)や林道の整備と地質の関係などについての解説を行いました。

 上谷エリアでは芦生の山を特徴づけるアシウスギ・ブナ・トチノキ、渓畔林、獣害の影響、人と森の関わり、窒素循環などについて解説しました。適地適木の例として「尾根マツ、谷スギ、中ヒノキ」と言われますが、芦生では天然スギが尾根に自生しており、自然から適地を学ぶことの重要性を伝えました。

 上谷の見学後に大カツラに移動し、解説・見学と記念撮影を行いました。カツラの巨木を見た学生から歓声の声があがりました。カツラの巨木を目にして畏敬の念や、「すごい」と感動できる感性は非常に大切だと思います。しかし、これから職業人として森林・林業の担い手となる学生たちには、もう一歩進んだ視点も求められます。そこで今回の解説では、生態系における巨木の重要性に焦点を当て、この大カツラが芦生研究林において、どのような生態的役割を果たしているのかについても解説しました。

 京林大の実習では人工林の見学が非常に多く、芦生の山のような原生的な森に入ることは少ないです。今回の実習では芦生の原生的な自然やそこでの保全・教育・研究活動を学んでいただけました。生物多様性の維持や生態系保全の重要性がより高まっている今、卒業後には自然環境の将来的な在り方にまで広く思いを馳せられる、豊かな視野を持った森林・林業技術者として活躍されることを心より期待しております。

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学生実習

京都大学「環境マネジメントセミナーB」実習報告

 5月27日、京都大学大学院地球環境学堂・地球環境学舎・三才学林実習「環境マネジメントセミナーB」が行われ、留学生26名、日本人学生16名が参加しました。

 この実習は、地球環境学に関する幅広い素養を身につけ、自らの力で地球環境の理解に必要なデータを収集する能力を養うことを目的とされています。5日間で、「森林」・「地域」・「土」・「動物」・「川」という5つのテーマについて、各1日ずつ実習を行います。

 この日は「地域」をテーマに、芦生で伝統継承・地域資源利用を進める地域の団体との協働作業を体験しました。

 学生は芦生わさび生産組合のワサビ圃場で作業を行うワサビ班と、芦生研究林事務所構内の竹林で作業を行う竹林班の2つに分かれ、午前と午後で入れ替わることで両方の作業を体験しました。

 ワサビ班では、作業に入る前に、芦生わさび生産組合の方々から、芦生地域の人々とワサビの関係(狩猟の安全や豊穣を祈るために正月から4月10日のわさび祭りまでワサビを食べない)と、わさび生産組合の始まった経緯、そして伝統継承と若い世代が地域で暮らしていけるような産業として育てたいという思いについてご説明いただきました。

 その後、組合の方々から指導を受けながらワサビの植え付けを行いました。

 参加した留学生からは、「今回の作業(と説明)で日本の精神のようなものを感じることができた」、「座学では経験できない貴重な作業を実際に体験できてよかった」などの感想がありました。また、作業中や作業後を問わず多くの質問があり、学生の皆さんは積極的に実習に参加していました。

 竹林班は、昨年の作業の続きにあたる形で、出てきたタケノコが鹿などの獣に食べられないように防鹿柵の設置と、低木や下草の処理を行いました。また、新規柵の設置に係り、ネットの支柱設置、ネット上げ、ネットの下部固定アンカーの打ち込み等を行いました。

 技術職員から整備を行った竹林のかつての姿や、芦生区での生活における竹林との関わり、獣害に関する説明を行いました。参加した学生からは、竹林が回復した暁にはタケノコを食べたいという感想が多く聞かれました。

 当日は日差しも強く暑い中での除草作業、ネット設置作業となったことから、暑くて疲れましたという言葉も聞かれましたが、とても充実した様子でした。 

 本実習の「地域」をテーマとしたパートを芦生で実施するのは、昨年度から始めた試みです。ワサビの栽培と利用、獣害による竹林の衰退という、芦生の特徴的な事柄を扱い、芦生という地域を実感してもらえたと思います。今後もワサビ圃場の作業の継続と、竹林回復過程のモニタリングを行っていく予定です。

昨年度の様子はこちらから。

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学生実習

京都大学「森里海連環学実習Ⅲ」実習報告

 2025年度の森里海連環学実習Ⅲが2月18日から2月20日の日程で、芦生研究林において行われました。参加した学生は京都大学農学部、医学部、大学院地球環境学舎のB1~M2の8名でした。この実習では、冬、特に積雪に注目し、地球温暖化・人口減少・シカの食害などの課題を学び、それらの解決にむけて新たな森と人とのつながりについて議論することを目的としています。

 実習初日はまず、かやぶきの里と美山民俗資料館の見学を行いました。美山民俗資料館では館長から、建物や昔の暮らしについての解説をしていただきました。その後、地域の公民館に場所を変え、かやぶきの里の住民の方にご協力をいただき、幼少期の生活や山の利用実態、害獣等について、教員が主体となり、3班に分かれ聞き取り調査を行いました。
 山が遊び場としても生活の場としても、個人だけではなく地域全体にとって、非常に身近であり重要であったことが分かる貴重なお話をお聞きすることができました。
 
 その後かやぶきの里をあとにして芦生に移動し、松岡講師が「温暖化と菌類」、TAの太田さんが「冬の野生動物の生態」というテーマで講義を行いました。

 実習2日目は冬季の森林散策と栃へし(栃の実の皮を剥く作業)を行いました。

 午前は、スノーシューを履いて林道を歩き、3時間ほどフィールドワークを行いました。2班に分かれ石原准教授が樹木の冬芽や、寒さに対する植物の防御方法や進化などについて解説を行い、鈴木助教が動物の痕跡などについて解説を行いました。
 午後は芦生山村活性化協議会の皆様を講師にお招きし、ご指導のもと、栃もち作りの重要な工程である「栃へし」を行いました。今年度は約10kgの栃の実をご用意いただき、学生は約2時間半にわたる作業に熱心に取り組みました。
 
 また、この日の夕食には美山産の鹿肉ときのこをふんだんに使ったカレーを調理し、地域の恵みを堪能しました。

 実習3日目は研究林にて聞き取り調査のまとめと発表、ビジターセンターにて美山町の課題解決についてのディスカッションを行いました。

 午前は聞き取り調査の内容を各班でまとめて発表を行いました。各班とも聞き取り調査の内容がしっかりとまとめられていました。
 午後はビジターセンターにて、京都丹波高原国定公園ビジターセンターの青田様から、「暮らしに根ざす観光のかたち~美山における持続可能な地域づくり~」というテーマで、美山町の現状と将来像についてご講義いただきました。

 講演と聞き取り調査を受け、「美山のどういう所を残し伝えていくべきか」「それをどう地域づくりの中で活かしていくか、伝え残していけるか、新しいものを創っていくか」というテーマで、グループディスカッションを行いました。ディスカッションの後、各班がこの実習を通して得た学びや肌で感じたことを踏まえ、プレゼンテーションを行いました。

 今回の実習では、地域の皆様に多大なご支援・ご協力を賜りました。研究林教職員だけではなく地域の皆様とも交流を行うことで、より芦生研究林らしい地域に根差した実習を行うことができました。

 学生からは、「この短い三日間を通して、私にとっての美山の魅力は、住んでいる人々そのものだと思った。この方たちあっての美山であり、やはり自然と人は切っても切れない、密接に関わりあっているのだと身をもって体験することができた。」といった感想があり、非常に有意義な実習となりました。

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お知らせ 安全情報

冬季一般入林禁止のお知らせ/NOTICE: General Entry Prohibited During Winter

赤崎方面
12月9日(火) より、以下の理由により赤崎方面への一般入林を禁止します。
理由: 積雪に備え橋の踏み板(床板)を撤去したため。 
期間: 12月9日以降、来年4月まで(開通時期は未定)

赤崎を含む一般入林許可エリア
12月(積雪まで)から4月まで(安全確認後)

1. Akasaki Area From Tuesday, December 9th, general entry to the Akasaki area is prohibited.
Reason: The bridge floorboards have been removed in preparation for snow.
Period: From Dec. 9th until next April (Exact opening date is undecided).

2. All General Entry Permitted Areas (Including Akasaki)
Closure Period: From December (once snow falls) until April (after safety is confirmed).

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イベント

京大ウィークス2025 芦生研究林一般公開 実施報告

 11月1日に京大ウィークス2025 芦生研究林一般公開を開催しました。今年度は169名のご応募をいただいたため抽選を行い、当日は35名の方々に来ていただきました。開催日の朝は雨が降っており肌寒い中での開催になるかと思いましたが、開催時間が近づくにつれて天候が回復し、無事に秋晴れの中、教職員が解説をしながら森林を散策しました。
 
 今年度も散策コースは2コース設定しました。
 大カツラなどの植生景観を見ることができる「研究林内散策コース」では、カツラやトチノキの巨木を見ながら由良川源流付近を散策しました。
 また、芦生の人と歴史を体感できる「森林軌道散策コース」では、軌道沿いの木々や研究林の歴史に触れながら散策しました。
 
 参加者からは「持続可能性について子どもと考えるとてもいい契機となりました」「すばらしい自然の中で解説付きでとても良かったです」「教職員の解説が分かりやすく、楽しい時間が過ごせました。」「自然豊かな研究林大切[HS1] に残してもらいたいです。」等の感想が寄せられました。どちらのコースも、参加者の方には芦生の自然や教職員の解説と対話を楽しんでいただくことができました。
 
 芦生研究林は都市部から遠く、なかなかお越しになる機会が少ないかと思いますが、この京大ウィークスを機に、研究林の自然や歴史を堪能していただけたと思います。また参加者の皆様は今回、実際にシカによる食害なども目の当たりにされ、芦生のみならず、現在の日本の山林が抱える問題についてもお考えいただく良い機会となったのではないかと思います。

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学生実習

京都府立北桑田高校「森林科学演習」実習報告

 10月23日に京都府立北桑田高校の「森林科学演習」が行われ、14名の生徒が参加しました。北桑田高校は京都府内で唯一の林業に関する専門学科(京都フォレスト科)が設置されている高校です。この実習は「芦生の森について、講義を受け、実際にその森に入ることで地元地域の有する貴重な森林資源を体験的に学び、専門学科の学びを深める機会とする」ことを目的として行われました。
 
 当日は入山前に松岡講師による説明と資料館の見学により、芦生研究林の概要を学びました。
 林内では、杉尾峠から長治谷までの上谷エリアと大カツラの見学を行いました。上谷エリアでは宮城技術職員が解説を行い、安全確保を西岡技術職員が行いました。職員の解説を通じて、芦生の山を特徴づけるアシウスギ・ブナ・トチノキについて、獣害による被害状況について、人と森の関り(かつて森で生活していた木地師)についてなど、多様な視点から芦生研究林について学びました。生徒たちは、解説を聞きながらメモを取ったり質問をしてくれたりと、非常に熱心に学んでいました。
 芦生研究林に来る一年前には、屋久島に屋久杉の見学に行かれていたようですが、屋久杉にも引けを取らない大カツラの迫力を前に歓声が上がりました。
 
 林業では木を植える際の目安として「尾根マツ谷スギ中ヒノキ」と言い、スギは谷部に植えるのが良いとされています。しかし、芦生ではこの言葉とは異なり、天然のスギの多くは尾根付近に自生しています。これは積雪量に起因するのですが、実際に森を見ることで、自然から学ぶことができることが非常に沢山あります。

 卒業後にはこの実習での経験を活かし、生態系の在り方を多様な視点から考えられる、広い視野を持った森林・林業技術者などになって活躍されることを期待します。

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公開森林実習Ⅰ 実習報告

 2025年公開森林実習Ⅰは、2025年9月3日(水)~5日(金)の日程で開催しました。京都先端科学大学、近畿大学、筑波大学、宮崎大学、明治大学から計9名の学生が参加しました。

 実習の目的は、京都における里山と奥山の両方において、森林の歴史や現在の状況(ナラ枯れ・マツ枯れ・シカによる食害・人工林の管理)を体験学習し、森林をめぐる環境問題に対し、科学的な知識や研究手法を習得することです。本拠点事業では特に、地域の人々との交流や活動の体験を通じて、人間社会と森林の関係について考察し、持続的な人と森との関係のあり方を多面的に考えられるようになることを実習の特色として掲げています。

 初日は京都市の里山について、上賀茂試験地で講義と実習を行いました。上賀茂試験地では、都市近郊林の自然植生とナラ枯れ・マツ枯れ被害、マツ類を中心とする外国産樹種とその特徴の解説に、受講生は興味深く耳を傾けていました。次に、イオン環境財団と協働で行っている「里山おーぷんらぼ」という、市民参加型の里山活動について、説明と活動場所の見学がありました。さらに、上賀茂試験地技術職員の指導のもと、チェーンソーを用いた丸太の輪切り体験を行いました。

 上賀茂試験地での実習の後、芦生研究林へ移動しました。夕食後に二つの講義がありました。最初は松岡先生が「芦生研究林の概要説明」という講義を行いました。この講義では芦生の森林や生物多様性とその重要性、そしてシカの過採食による森の変化について解説を行いました。続いて、遠隔地会議システムを用いて、北海道研究林の小林先生が「北海道の森林と人との関わり」についての講義を行いました。

 講義後に受講生から、それぞれの身近な森についてパワーポイントを使って説明してもらいました。受講生は、異なる地域や視点を持っていることから、一人ひとり全く異なる「森」の姿や人との関わりの紹介が行われ、とても良い交流の契機となりました。

 2日目は、芦生研究林内での見学と調査体験を行いました。午前中は、林内では原生的な自然の残るエリアを歩きながら、天然林と奥山の人工林の観察をしたほか、大規模シカ排除柵の見学を行いました。午後からは芦生のシンボルである大かつらの見学や、トチノキの種子の結実量調査体験とトチノミを利用する文化を守るための芦生研究林と地域協働の取り組みを学びました。
 夕方から美山町で暮らす猟師さんから、猟師としての暮らし、「狩猟」と「駆除」の間で生きる葛藤などについて講演をしていただきました。普段は交流する機会のない猟師のお話はとても興味深い内容で、講義後は多くの質問が寄せられました。
 夕食は芦生研究林のある美山町で獲れたシカ肉でカレーを作りました。夕食後に張先生が「農山村の生業」という講義を行いました。

 3日目は研究林事務所を発つ前に、坂野上先生が「森と人の歴史」という講義を行いました。午前に茅葺の里での里山景観を観察しながら、その歴史や生物多様性との関わりを学びました。
 午後には大学構内にある北白川試験地において北山台杉やj.Pod(リブフレームによる木造建築)の見学を行いました。最後に、実習の振り返りが行われ、解散となりました。
 学生からは「森林について、人間の利用という観点から歴史や文化について学ぶことができた。森林と人の生活や文化が密接に関わっていることがわかって、森林について学ぶ意義の新たな視点が得られた」、「やはり、座学で習うよりも実際に自分の目で見て、音を聞いて、触ることで得られる知識は、座学で習うよりもスッと知識として頭に入ってくるんだなと実感しました。」といった感想が寄せられました。

 3日間という短い時間でしたが、里山から奥山までを観察することができたと思います。この実習を通して森林がもつ魅力を伝えられるとともに、現状の問題点を考えられる人材になられることを期待します。

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上智大学「Meaningful Life: Art, Digital, and Field-based Learning」実習報告

 6月13~15日に上智大学国際教養学部の授業「Meaningful Life: Art, Digital, and Field-based Learning」が行われ、多様なバックグラウンドを持つ11名の学生が芦生研究林を訪れました。

 この授業は、教室では学べない、フィールドならではの体験や感覚、記憶こそが学生の学びになるとと考える伊藤毅教授とJohn Williams教授(上智大学)が担当されています。佐渡と京都で行われており、今年は初めて芦生研究林を訪問されました。森林生態系の仕組みを学ぶと同時に、人と生態系の関係について学び、人口集中する都市を含めた人間社会をより良く意味のあるものにしていくことを目的としています。

 13日は園部からの移動後、食堂にて芦生研究林の概要について石原林長が講義しました。園部からの移動中、車窓からの眺めに時折歓声が上がり、緑と水の綺麗さに驚いている様子でした。

 14日は雨天でしたが、大カツラと長治谷周辺の見学を行いました。
 大カツラでは石原林長が解説を行いました。大カツラの樹上ではシカの影響がなく、独自の生態系が構築されていることや、100年ほど前に撮影された大カツラの写真を学生に見せ、シカによる下層植生の変化などを解説しました。大カツラでは長めに時間をとり、周辺の見学も行いました。上智大学のキャンパス周辺では見ることができない風景に、学生は非常に興味を抱いていました。

 大カツラの見学後は、防鹿柵の見学やクマ剥ぎの説明などを行いました。シカによる植生への影響や、クマによる材木の価値の低下など、見学しないと理解が難しいことを学ぶ良い機会になったと思います。

 また、長治谷ではアカハライモリとモリアオガエルの関係や、ジギタリスという外来植物についても解説を行いました。

 午後からは芦生タカラの森代表 の鹿取悦子氏に、芦生タカラの森の活動についてご講演いただきました。森の恵みを享受する生活や文化、シカの食害がみられる中での人工林から天然林への近づけるための植林活動、森を通して未来を考えることなど、主に人と森の関わりについて講演をしていただきました。林内での解説時と同様に、この講演でも非常に活発かつ多様な視点からの質問があり、とても刺激的な1日になったようです。

 15日は午前にかやぶきの里までお送りしました。

 今回の芦生研究林で得られた知見を基に、社会と自然をよりよく繋ぐことができる人材として世界各地でご活躍されることを心より期待しております。


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京都府立林業大学校「森林科学Ⅰ」実習報告

 5月28日に京都府立林業大学校の実習が行われ、12名の学生が参加しました。「森林科学Ⅰ」という科目の一環で行われた実習です。京都府立林業大学校は、2012年に設立された西日本初の林業大学校です。詳細につきましては京都府HPよりご確認下さい。

 当日は資料館で簡単に芦生研究林の解説を行った後に、杉尾峠から長治谷までの上谷エリアを歩きつつ技術職員の宮城(京林大卒業生)が解説を行い、その後 大カツラの見学を行いました。
 事前に石原林長が京林大で気候と植物の分布・遷移・森林生態系と生物多様性等について講義を行っており、座学での学びを実際に山に入り観察することで、より学習を深化させる狙いがあります。
 杉尾峠までの道中では暖温帯から冷温帯への植生の変化や林道の整備と地質の関係、森林や生態系保全に関する世界や日本、そして企業の動き(30by30、J-クレジット、TNFDなど)ついての解説を行いました。
 上谷エリアでは芦生の山を特徴づけるアシウスギ・ブナ・トチノキ、渓畔林、獣害の影響、人と森の関わり、窒素循環などについて解説をしました。今年度の学生も真面目に解説を聞いていました。休憩中には技術職員の仕事のことについて質問があり、幅広く業務を行っていることを伝えました。
 上谷歩道での見学後に大カツラに移動し、見学と記念撮影を行いました。今年度は東邦大学の実習と重なったので、松岡先生に大カツラでの解説をしていただきました。
 下山後には再度資料館の見学を行いました。資料館には色々な展示物がありますが、標本については特に気になったようで、熱心に見ている姿が印象的でした。

 京林大の実習では人工林の見学が非常に多く、芦生の山のような原生的な森に入ることは少ないです。芦生の原生的な自然やそこでの保全・教育・研究活動を学んでいただき、卒業後には生態系の在り方などについても考えられる、広い視野を持った森林・林業技術者になって活躍されることを期待します。