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標本・収蔵資料

標本・収蔵資料

フィールド研・各施設等にある標本・収蔵資料を紹介します。

斧蛇館 (芦生研究林)

1992年4月に事務所構内に開設された。芦生研究林の森林や林業に関係した資料や道具を集め、展示している。芦生研究林の沿革、植生、地形や気象の概況を始めとして、世界の森林の解説、主要樹種の材鑑、ツキノワグマやクマハギについての解説がある。さらに、ツキノワグマ・カモシカなどの大型動物や鳥類の剥製、マムシなどの標本、木材生産・製炭事業等の林産物生産の記録、木地師が作ったと伝えられる杓子などの製品も展示されている。

樹木園と標本館 (上賀茂試験地)

これまで上賀茂試験地で導入が試みられた外国産樹種は4,300種に及ぶが、半数は発芽に至らず、現在生育しているのはツツジ科、バラ科、マツ属など99 科、350属、約750種である。マツ属は世界各地に分布する約100種のうち85種が生育している。タケ類も14属88種があり、モウソウチクにおける 67年目の開花が確認されるなど、タケ類の開花周期の観測も行われている。「竹の家」とも呼ばれる標本館には、第二次世界大戦以前に収集された樹木の材鑑標本や木材標本など5千点、種子標本が700点など、約1万点の標本を有する。マツ類の球果・種子・針葉が系統的に整理されているほか、モウソウチクの地下茎の形態標本や世界各地のタケ稈や竹製品の収集がある。

紀伊大島植物標本室 (紀伊大島実験所)

塚本洋太郎博士によって1940年前後に採集された紀伊大島高等植物およびシダ植物標本(約100点)と、1997~1999年に紀伊大島で採集された高等植物、シダ植物およびコケ植物標本(重複証拠標本、888点)が保管されている。また、紀伊大島の伝統的生業道具も蒐集、保管されている。

水産生物標本館 (舞鶴水産実験所)

魚類を中心に水産生物標本を収蔵する建物として1984年1月に完成し、わが国では最大の30万点の魚類標本を所蔵している。日本近海に分布する魚類はほぼ網羅(3千種、5万点)し、広義のサバ型魚類については世界最大(90種、5千点)のコレクションを有する。さらに、南米、アフリカ、ニュージーランド近海の底魚(500種、5万点)コレクションも世界屈指である。また、海藻標本(400種、1万点)は日本海沿岸に分布する種をほぼ網羅している。これらの標本は系統順に標本室に配列されており、博物館として研究者だけではなく一般にも公開されている。

水族館 (瀬戸臨海実験所)

1930年から一般公開(有料)されており、わが国の臨海実験所が運営する水族館としては、唯一、博物館法による博物館相当施設の指定を受けている。展示水槽は230トン級1槽をはじめとして計59槽464トンからなる。飼育生物は、和歌山県沿岸に生息する海産動物を中心として展示しており、無脊椎動物の展示は特に充実している。無脊椎動物約400種、魚類約270種を飼育する。差支えのない範囲で、飼育生物を生態観察や実験材料として研究者に供給している。また、実験用水槽設備の提供や、実験材料の採集・ストックにも応じている。

畠島 (瀬戸臨海実験所)

畠島は、田辺湾の南東部に位置し、1968年に実験地として取得された。島内は多彩な地形・底質からなり、生物相も多様性に富んでおり、ここだけで湾内一帯の海岸生物相を一通り観察できる。このため、学内外の臨海実習に広く活用されるとともに、田辺湾生物相の長期的な変動に関する研究の拠点として重要な役割を果たしている。1960年代より、毎年のウニ類の定点観測や、5年毎の畠島全島調査などが継続して実施されている。最近では、島の陸上植物相に関するモニタリング調査も紀伊大島実験所と共同で始められている。

(初出 年報第1号 2003年度 p.74)