森里海連環学教育プログラムの実施

森里海連環学教育ユニット 清水夏樹


 2013年4月に開講した森里海連環学教育プログラムでは、予想をはるかに上回る77人の履修生を迎え、2013年度前期・後期の講義・演習を進めてきました。たとえば必修科目の1つである「流域・沿岸域統合管理学」は、国内外の研究者によるリレー形式で行われ、様々な分野での研究アプローチが学べる科目となっています。7月からは48名の履修生が海外各地でインターンシップを行いました。そのうち、旅費等の補助金を受けた履修生にはウィークリーレポートの報告が義務づけられており、研修成果や日常生活の感想など日々の取り組みの様子が報告されています。後期に集中講義で行われる必修科目の「統合管理国際貢献学演習」(10人前後の少人数、テーマ別ゼミ方式で実施)は、各履修生のインターンシップの成果や研究テーマと森里海連環学との関連性などをもとに、実践に向けて議論する場となっています。本プログラムの科目は原則として英語で行われることから、英語での講義や議論への参加を支援するため、4~6月には受講生向け英語スキルアップ講座を開催しました。
 さらに大学院の講義だけでなく、2013年度は5回の公開セミナー(通称CoHHO セミナー)を開催しました。前述の国際シンポジウムに加えて、6月には、森里海連環学を広く社会に発信していくため、東京赤坂の日本財団ビルにおいて、森里海シンポジウム「人と自然のきずな~森里海連環学へのいざない~」を開催し、約130名の参加を得ました。
 開講当初は、英語での講義やインターンシップ・国際学会発表への補助金支給を期待して履修を希望した学生も、プログラムの中で徐々に森里海連環学の幅広さ・深さに興味をもち始め、アクティブ・ラーニング形式の講義や演習では積極的な発言・参加がみられるようになってきました。2014年3月には教育プログラムの修了記念イベントも予定されており、履修生もその企画作成に参加するなど履修生同士のきずなも深まりつつあります。

ニュースレター32号 2014年2月 教育ノート