里海生態保全学分野 助教 髙橋 宏司
2021年9月より、舞鶴水産実験所に助教として着任いたしました。新任といいましても、実は大学院生・研究員として、過去に8年ほど舞鶴水産実験所で過ごしていたため、古巣に戻ってきたという感じです。
専門は、主に魚類を対象とした認知生態学や比較心理学です。簡単にいうと、魚(サカナ)が何を考えているのか、どう感じているのか、ということを彼らの生態と照らし合わせて考えたり、ヒトの心理と比べてみたりするということをしています。このような研究をしていく上では、サカナを観察して、触れ合うことがとても大切になるため、舞鶴水産実験所のようなフィールドに近く飼育実験のしやすい環境は天国です。
最近は、ヒトの生活とサカナの認知・心理の関係について興味をもっており、舞鶴水産実験所では、魚釣りに対するサカナの認知能力や、水の上の人工構造物がサカナの空間認知におよぼす影響などを調べていきたいと考えています。一方で、基礎生物学的な研究以外にも、増養殖や漁業の発展に役立つ水産学的なサカナの認知・心理の研究も進めていき、自己満足だけでなく、社会に少しでも貢献できるような研究もおこなっていきたいと考えております。
サカナの認知・心理の研究をしていると、よく胡散臭い研究や趣味の研究などといわれてしまうのですが、本人はいたって真剣に、遊びのような研究をしているつもりですので、温かい目で見守っていただけると幸いです。フィールド研の発展に貢献できるよう精進していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ニュースレター55号 2021年10月 新人紹介