実習報告2021 「森里海連環学実習II:北海道東部の森と里と海のつながり」

森林情報学分野 准教授 小林 和也


 本実習は、北海道研究林が北海道大学北方生物圏フィールド科学センター厚岸臨海実験所と合同で実施しており、北海道東部にある別寒辺牛川を対象に、上流域として天然林を流れる本流と牧草地を流れる支流、下流域として別寒辺牛川湿原を流れる本流、河口から沿岸域にあたる厚岸湖、厚岸湾の各地点において、生物調査、水質調査などを行い、森と川と海のつながりと人間との関係について理解を深めることを目的としている。今年度は現地での対面実習とオンライン講義による事前学習を組み合わせたハイブリッド形式での実施を予定していたが、新型コロナ感染拡大に伴って対面実習を断念し、オンライン主体で実施し、京都大学から3名、北海道大学から8名の学生が参加した。
 現地調査で取得する予定だったデータは担当教員、TAや技術職員で手分けして収集し、過去の実習データや調査地の写真等とともにPandA等を利用して配布した。対面実習を予定していた9月13日から17日にかけて、森と川と海のつながり、それに対する人間活動の影響についてオンライン講義を行った。その後、学生は森班、川班、海班の三つに分かれて、講義で得た知見と提供したデータをもとに、それぞれの視点から生態系のつながりと人間活動の影響について議論し、グループ発表を行った。また9月28日にはフォローアップとして上賀茂試験地で対面実習を行い、京大生1名が樹種同定や水質調査法を学んだ。
 移動にかかる時間や費用が発生しないなど、オンラインの利点はあるものの、やはり百聞は一見に如かず。来年度は現地開催できること祈るばかりである。最後に、実習が円滑に進むようご協力いただいた、TA、技術職員ならびにスタッフの皆さまにお礼申し上げる。