村上弘章連携研究員他が日本水産学会 論文賞を受賞

2022年3月28日に、村上弘章連携研究員((現)東北大学 助教)他が、令和3年度日本水産学会論文賞を受賞しました。

 対象となった発表内容は以下の通りです。

Fisheries Science 85巻2号:327–337 (2019)

Dispersion and degradation of environmental DNA from caged fish in a marine environment
(いけすに収容した魚から放出される環境DNAの海洋における分散と分解)

村上弘章,尹 錫鎭,笠井亮秀,源 利文,山本哲史,坂田雅之,堀内智矢,澤田英樹,近藤倫生,山下 洋,益田玲爾

DOI:https://doi.org/10.1007/s12562-018-1282-6

【要旨】環境 DNA(eDNA)の分散と分解の過程を明らかにするため,シマアジを収容したいけすを舞鶴湾内に設置した。いけす近傍と北西,北東方向に 10-1000 m 離れた 13 か所の定点で,いけすの設置と引き揚げ後の一定の時間後に表層の海水を採取した。種特異的検出系を用いた qPCR により,本種の eDNA は設置直後から検出され,陽性の全 57 検体のうち 45 検体は,いけすから 30 m 以内からであった。また,引き揚げ 2 時間以降は検出されなかった。よって eDNA 分析の結果は,長期間・広範囲ではなく,直近の生物情報を強く反映することが示唆された。

(参考) 日本水産学会ページ