萩原幹花さん(JSPS特別研究員DC2)が、日本森林学会学生奨励賞2022を受賞

萩原幹花さん(JSPS特別研究員DC2)が、日本森林学会学生奨励賞2022を受賞

 2022年3月27日に、農学研究科森林科学専攻森林育成学分野の博士2年の萩原幹花さん(JSPS特別研究員DC2)が、日本森林学会学生奨励賞2022を受賞し、オンラインで開催された第133回日本森林学会学術大会において、受賞講演が行われました。

 対象となった発表内容は以下の通りです。
「Effective distance of volatile cues for plant‒plant communication in beech」

(研究内容の紹介)
 植物は、葉からイソプレンやテルペン類などの「匂い」を放出している。近年、健全な植物が、他個体からの食害の匂いを受容することにより防衛力が向上し、葉の被害が減少することが明らかになってきた。この現象は「匂いを介した植物間コミュニケーション」と呼ばれ、植物の新しい防衛戦略として注目されている。本研究は冷温帯の優占樹種であるブナにおいて、5~7m 離れた匂い物質を受容した樹木個体が防衛を駆動させ、病害虫の被害が低下するという、「匂いを介した植物間コミュニケーション」が存在すること示した。このことから、植物間コミュニケーションの有効距離は、森林内の植食者群集の空間分布を理解するうえでも重要であることが示唆された。

 なお、今回の受賞の対象となった論文は以下の通りです。

Tomika Hagiwara, Masae Iwamoto Ishihara, Junji Takabayashi, Tsutom Hiura, Kaori Shiojiri
Effective distance of volatile cues for plant–plant communication in beech
Ecology and Evolution, Volume11, Issue18, September 2021, Pages 12445-12452
DOI:10.1002/ece3.7990

 結果については、森林学会のウェブページに掲載されています。