境 慎二朗 技術専門員および中村はる奈技術専門職員、北川陽一郎技術専門職員が森林管理技術賞を受賞

境 慎二朗 技術専門員および中村はる奈技術専門職員、北川陽一郎技術専門職員が森林管理技術賞を受賞

2024年9月26日、令和6年度全国大学演習林協議会秋季総会が苫小牧市文化会館(北海道苫小牧市)にて開催され、境 慎二朗 技術専門員および中村はる奈技術専門職員、北川陽一郎技術専門職員が、第26回森林管理技術賞を受賞しました。

 本協議会では、大学演習林等において教育・研究の支援や森林の維持管理に貢献した技術職員の業績を称えるため、1998(平成10)年に森林管理技術賞を制定し、翌1999年度から表彰を行っています。令和6年度の表彰者として、全国の大学演習林等の技術職員から14名が選出され、京都大学フィールド科学教育研究センターからは境 慎二朗 技術専門員および中村はる奈技術専門職員、北川陽一郎技術専門職員が選ばれました。

 授賞理由は以下の通りです。

管理技術部 境 慎二朗 統括技術長/技術専門員
特別功労賞【京都大学演習林の管理運営と技術職員の資質向上への多大な貢献】

 境 慎二朗氏は1985年に京都大学演習林に採用されて以来、和歌山演習林、本部、上賀茂試験地、芦生研究林にて研鑽を積み、2004年には全国演習林協議会において若手技術職員を奨励する森林管理技術賞を受賞した。現在は管理技術部の統括技術長として、フィールド研すべての技術職員37名の業務および勤怠を統括管理するとともに、研究林技術組織の統括として労働安全衛生および免許資格取得の指導、徳山試験地の技術班長としての施設運営を行っている。さらに、京都大学全体の総合技術部企画運営専門委員として技術職員研修を企画運営するほか、全国大学演習林協議会および中国・四国・近畿地区の協議会運営に尽力している。

企画情報室 中村はる奈 技術主任/技術専門職員
技術貢献賞【webを用いた遠隔双方向会議講義システムの普及とデジタル教育コンテンツの充実】

 中村はる奈氏は情報系技術職員として採用されて以来、フィールド研の情報管理・企画運営に従事し、研鑽を重ねている。新型コロナウイルス感染症蔓延時にはweb講義の円滑な実施に貢献するとともに、中止となったフィールド実習の代替措置として動画提供を企図し、遠隔地の技術職員と連携して現場での撮影を進めた。その結果、フィールド研の最も重要な教育コンテンツであるフィールド実習について、最低限の内容をフィールドに出られない学生に伝えることができた。また、全国大学演習林協議会におけるデジタル森林教育コンテンツやドローンによる撮影などを用いた研究林紹介ビデオ、web実習のコンテンツ作成ならびにそれらの発信においても技術的指導や助言を行い、各施設と連携してコンテンツの充実を図っている。

芦生研究林管理技術班 北川陽一郎 技術主任/技術専門職員
学術貢献賞【データ収集・分析を軸とした森林研究に対する学術的貢献】

 北川陽一郎氏は、北海道研究林および芦生研究林における森林施業や管理業務から森林生態学的な内容まで多岐に渡る調査、研究に携わり、第一著者として1編の査読付き論文、5編の紀要発表、共著者として2編の査読付き論文(いずれも国際誌)、2編の国内学会発表と、多数の学術成果を挙げてきた。近年、教育および研究におけるデータの収集・分析の重要性は増す一方であり、フィールドやモニタリングデータと研究者をつなぐ技術職員の役割はフィールド科学の発展に欠かせない。データに基づくPDCAサイクルの拡大は研究林の管理業務において喫緊の課題であり、積極的に新しい技術を取り入れる北川氏のさらなる活躍が期待できる。

(参考)全国大学演習林協議会 森林管理技術賞