芦生研究林/北白川試験地(当時) 山中 公
8月3日に北白川試験地で夏の自然観察会を開催しました。当試験地ではこれまで社会教育事業を実施していませんでしたが、本試験地における初めての社会教育事業として2023年度から本イベントを実施しています。当日は20人の参加がありました。
本試験地は市街地にある大学キャンパス内の施設ですが、多種多様な植栽木が作る環境により、様々な昆虫を観察することができます。そこで、「採りやすく親しみやすい昆虫」として、セミの抜け殻と樹液食昆虫を自然観察会の題材としました。
午前の部では、参加者全員で見本園内のセミの抜け殻を1時間ほどかけて採集しました。その後、講義室で抜け殻のセミの種類の同定作業を行いました。その結果、クマゼミ、アブラゼミ、ニイニイゼミ、ツクツクボウシの4種の生息を確認できました。
午後の部では、3日前にあらかじめ見本園内各所に設置したトラップを回収して回りました。講義室に戻ると、参加者一人一人にトラップの中身を出して、入っていた昆虫を記録してもらいました。カブトムシやクワガタムシが入っていたときには歓声が上がりました。
本イベントでは、多くの参加者の満足げな様子を見ることができ、またアンケートのコメントも、「先生の説明が分かりやすく興味を引くものだった。器具も充実しており、満足度が高かった。」「と~ってもたのしかったです。自由けんきゅうでバナナトラップやります!(原文ママ)」など、高評価が多くなっていました。参加された方々が身近な自然に楽しく触れることにより、自然について学ぶきっかけになったのではないかと思います。
ニュースレター64号 2024年10月