山口県周南市と徳山試験地との連携事業(中学生体験学習および市民公開講座)

山口県周南市と徳山試験地との連携事業(中学生体験学習および市民公開講座)

森林情報学分野 中西 麻美

 徳山試験地では、周南市と京都大学フィールド科学教育研究センターとの連携協定(2012年9月締結)に基づく事業を継続して実施しています。今年は6月13日に市立鹿野中学校1年生10名を迎えて体験学習を行いました。まず、「ふるさと文化財の森(檜皮)」に指定されている徳山試験地が誇るヒノキ人工林での調査体験です。直径巻き尺で胸高直径を測定した後に、リタートラップから落葉落枝の回収と土壌の水分測定を補助してもらいました。次は別のヒノキ人工林で伐採体験です。直径15cm、樹高約8mのヒノキ1本を生徒たちが交代しながら手鋸で切っていくのですが、思うように切り進められず、中学校教員も加勢してようやく切り倒すことができました。午後は、この1本と前日にあらかじめ技術職員が伐倒した2本を数cmの厚さに手鋸で切り、表面をやすりで磨いた後にリスまたはクマの焼印を押してコースターを作成しました。
 翌14日は市役所庁舎にて市民公開講座を開催しました。周南市内から26名の参加がありました。朝から強い雨が降り、午後も雨予報のため、午後の試験地見学の中止を早々に決定し、開講時にこの旨を伝えるところから始まりました。私が試験地紹介を行った後に、鈴木華実助教による「移り変わる森林-植物と動物の関わりから」という講演が行われました。120年ぶりに結実したスズタケの種子を持ち去る野ネズミの動画を交えた丁寧でわかりやすい解説が好評でした。また、スズタケの種子が回覧されました。最後に10月の講座を案内して閉講しました。この時かなわなかった試験地見学を秋に楽しんでいただきたいと考えています。

ニュースレター67号 2025年11月