ポケゼミ報告2011「魚類心理学入門」

沿岸資源管理学分野 准教授 益田 玲爾


 本ポケゼミは4月から6月にかけての京都での6回の講義と,7月に行う舞鶴水産実験所での2泊3日の実習からなる.募集人数10人のところ,これより若干多い応募があった.講義は以下のタイトルで6回行った.

  第1回 研究の道具としてのスキューバ潜水
  第2回 群れ行動の発達心理学
  第3回 魚類心理学を栽培漁業に活かす
  第4回 魚の行動から海の資源の未来を読む
  第5回 回遊魚の行動学
  第6回 研究というゲームの楽しみ方

 講師自身の研究成果を中心に1時間ほどの講義を行い,その後フリーディスカッション,さらに簡単なレポートを書いてもらい,このレポートをもとに次回の講義を組み立てるという構成をとった.最終回には「プレゼンテーションの奥義」というコーナーも設け,講師が一番最近に行った学会発表を例に,口頭発表やポスター発表の技術を伝授した.
 実習では,7月1日金曜日に学生らが舞鶴に到着し,まずガイダンスを行った.講義で地産地消や食の安全の話もしていたので,食事はなるべく自炊することにした.土曜日は,朝食のあと,市内の三浜海水浴場へ.漁協の運営する海浜施設「ととのいえ」のシャワーと更衣室を利用し,昼食には同所でサザエご飯とアオリイカの一夜干しを頂いた.調査では,ネットにより稚魚を採集し,シュノーケリングで砂地のカレイや岩場のハゼ類,ウミウシ類などを観察した.帰りにスーパーの鮮魚コーナーを見学し,食材としての魚について理解を深めた.舞鶴産のイサキとブリを刺身にし,食材への理解をさらに深めた.翌日曜日には西舞鶴の京都府漁連のセリを見学した.