日本財団助成事業の成果紹介

海域陸域統合管理学研究部門 向井 宏


 フィールド研では、日本財団からの助成金に基づき、2011年度に以下のような教育活動を行ってきました。

(1) 全学共通科目による全学学生を対象とした講義を開講しました。「森里海連環学」「沿岸環境保全学」「森林学」「水圏生物学入門」の4科目です。2011年度の受講生数は、それぞれ152名、23名、51名、351名で、合計延べ600人近くになります。

(2) 全学共通科目としての森里海連環学実習を開講しました。この実習は、Aコース(京都府由良川流域)、Bコース(和歌山県古座川流域)、Cコース(北海道別寒辺牛川流域)の3コースが行われ、Cコースは、北海道大学と合同実習として行われています。各コースの実習への参加学生数は、A(13名)、B(8名)、C(京大9名、北大9名)で、合計延べ39名でした。参加者は、それぞれの河川の源流から河口を経て海まで、さまざまな生態系と人々のくらしとのつながりについて研究の方法などを経験しながら、学びました。

(3) フィールド研と関わりの深い北海道、京都府、高知県の3ヶ所で、地元の人々と森里海連環学について学ぶ地域連携講座を開催しました。さらに2011年度には、東日本大震災の復興について森里海連環学の立場から考えるシンポジウムを京都で開催しました。各講座のタイトルは以下の通りで、著名な研究者や市民運動家らが講師を務めました。各講座には、一般市民を中心に50~280人が参加しました。
「森から海へ ~海域環境の保全と人のくらし~」(北海道厚岸町・11月12日)
「森・里・海の対話 ~身近な視点から生態系のつながりを考える ~」(京都府福知山市・9月24日)
「国際森林年を “森林・林業再生プラン” 実行元年とするために」(高知県仁淀川町・10月8日)
「森里海連環学と沿岸管理~東北沿岸の復興をどう進めるか~」(京都市・7月16日)

ニュースレター26号 2012年3月 教育ノート