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教育活動

ポケゼミ報告2012「森林の動態と再生」

森林資源管理学分野 准教授 安藤 信


 京都市市街地周辺林、奥山の芦生研究林、その中間に位置する北山・八丁平湿原周辺の天然林・二次林を踏査、調査し、森林帯、地形、遷移過程の違いに伴う種組成や林分構造の変化と動態、そして近年の環境変化や「マツ枯れ」、「ナラ枯れ」、シカ等の動物による森林被害の実態、さらに防除に関する取り組みや森林の再生について、講義・実習を行った。セミナーは4、5月の土・日・祝日を中心に実施した。
○4月20日(金)昼:ガイダンス
 日程、野外実習における注意事項を説明した。
○4月21日(土):樹木分類・識別法
 樹木の分類・識別法、わが国の代表的樹種の分布について説明した。北白川試験地の樹木園において樹木識別に関する実習を行い、吉田山において京都市市街地周辺林の近年の植生変化について概説した。
○4月28日(土):上賀茂試験地における樹木識別実習と京都付近の植生の変化
 試験地で行われた「春の自然観察会」に参加した。京都付近の里山にみられる代表的な構成種の識別および海外から導入された多くの樹木種の観察を行った。午後は暖温帯に位置する京都の過去からの森林の変遷、近年の「マツ枯れ」、「ナラ枯れ」による急激な変化、さらに古都の景観回復と伝統的な文化を継承するため行われている森林施業についての講義を行い、現在なお「マツ枯れ」が拡大している高標高地の神山、住吉山の被害状況を視察した。
○4月30日(祝):大文字山におけるアカマツ林の再生と森林調査法
 大文字山の「マツ枯れ」進行林分で行われているアカマツ林再生のための取り組みについて解説し、設定されている調査地を対象に、毎木調査、稚樹の成長調査を行った。
○5月12日(土):八丁平二次林の林分構造と動態
 冷温帯域の北山・八丁平二次林の踏査を行い、地形や攪乱の歴史が異なる森林の遷移過程、近年増加している「シカ害」「ナラ枯れ」被害の実態を視察した。
○5月20日(日):芦生の天然林、二次林の林分構造と動態
 芦生研究林のブナやスギが優占する冷温帯の天然林の動態や構成種について解説した。長年継続されている天然林の大面積調査地を視察して、フィールド調査の難しさを体験した。
○5月27日(日):東山シイ林の林相改善
 東山では「マツ枯れ」や森林の放置によってシイ林が拡大している。落葉広葉樹が混交し、多様性が高い森林に導くための林相改善事業が始まっている。再生林の調査を行って、森林施業法についての検証を行った。
本セミナーでは、人間・環境学研究科M2の棚田史彦君、農学部研究科M1の中野周平君、農学部2回生の甘田岳君、成田あゆさんが協力してくれた。