新人紹介 清水 夏樹

森里海連環学教育ユニット・流域環境ガバナンス領域 清水 夏樹

Shimizu Natsuki

 2012年11月1日付で森里海連環学教育ユニット特定准教授およびフィールド研連携准教授に着任いたしました。前の職場は、茨城県つくば市にある農業・食品産業技術総合研究機構の農村工学研究所です。
 筑波大での修士課程時代に農村計画学という分野に出会い、東大での博士課程では農業工学をベースに、日本の中山間地域の農村基盤の持続的管理について研究しました。これまで農村計画学会を中心に、多様な分野の学生や若手に呼びかけて共同のフィールドワークや座談会などを企画したり、また研究者だけでなく実務者とのネットワークを大切にしてきました。フィールドで出会った現地の方々とともに、これらの人とのつながりが私の大きな財産です。このネットワークをこれからの学生につないでいきたいと思っています。
 農村工学研究所在職時は、地域資源の一つであるバイオマスの利活用について研究していました。私の関心は、地域にある資源を活かして、人々がそこに暮らしていける経済的・社会的環境を維持(あるいは再構築)していくことにあります。地域資源を活かすということは、その資源を適切に管理していくことでもあります。私は、現場での問題解決を着地点と考え、とくに人や組織を対象としたフィールドワークを中心に研究を行っています。農山村の環境はもちろん、社会自体も長い時間をかけて創られてきたものであり、また日々変わっていくものです。解決した問題の先に新たな問題も生まれます。そこには定常状態、あるいは確固たる真理(目指すべき姿)のようなものはないのかもしれません。研究としては非常にやりにくい、というのが正直なところです。でも、農山村に住み続けたいという人がいて、そこに暮らしがあり続けてきた、そのことに敬意をもって研究に取り組みたいと思っています。これからも「人とその暮らし」を研究対象として、農山村をフィールドに、現場型の研究を進めていきたいと思っています。皆様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

ニュースレター29号 2013年2月 新人紹介

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