ワークショップ「豊かな森と里の再生」 -芦生の森と京・美山における 地域と研究者の協働-開催報告

森林育成学分野 赤石 大輔

 フィールド研教員を中心に構成する「森里連環学に基づく豊かな森と里の再生」研究会は、ニッセイ財団環境問題助成のもと2018年度より芦生研究林や美山町をモデル地域として、シカ食害によって減少した植生の再生、付加価値の高い地域特産品の開発、エコツーリズムと市民参加型モニタリングの両立を目指す活動など、自然科学と社会科学の研究者が地域の多様な主体と協働して行ってきました。2021年12月19日に、3年間の成果に基づき、地域と研究者の協働による森と里の再生について議論するワークショップを、南丹市美山町の京都丹波高原国定公園ビジターセンターと芦生研究林、そしてフィールド研会議室をつなぐハイブリッド方式で開催しました(参加者:オンライン視聴128人、会場19人)。
 6つの話題に対して担当した研究者が報告を行い、携わった地域の方からコメントをいただく形で進行しました。総合討論では、地域との協働に詳しい金沢大学の菊池直樹准教授にもご参加いただき、活動を振り返りながら、コロナ後の地域の方向性や地域と研究者の協働における配慮すべき点などを共有しました。参加者からは「研究者と地域の双方の声が聞けるこれまでにない形の報告会で参考になった」といった意見が多数集まりました。地域の方からは「とてもよかった。研究林は大きく変わったね」というお言葉もいただきました。芦生研究林では今後も森と里の再生にかかる実践研究を地域との協働により進めていく予定です。

参考ページ:ワークショップ「豊かな森と里の再生:芦生の森と京・美山における地域と研究者の協働」

ニュースレター56号 2022年2月 社会連携ノート