ポケゼミ報告2012「日本海に遊ぶ~日本海学入門」

沿岸資源管理学分野 助教 上野 正博

 今年の少人数セミナー「日本海に遊ぶ~日本海学入門」は11人での開講となった。日本海の形成から始めて,環境・漁業・日本人の暮らしとの関わりなど事前授業を京都で二回行い, 2月20日から2泊3日の実習にそなえた。
 病欠などで6人が参加した実習は,20日11時に西舞鶴駅前で開始された。駅前にある魚屋で水産物調理実習用のいろんな魚を仕入れる。西舞鶴の名物魚屋であるこの店にはまいどお馴染みなので思い切り勉強して頂く。定価なんか糞喰らえの値引に実習生達はびっくり。
 午後は,各自が準備してきた日本海をテーマとする発表大会とした。一人30分の持ち時間でプレゼンと討論を夕方まで行った。気候やエチゼンクラゲから日本史,経済問題まで幅広いテーマでプレゼンがあったので学生と楽しむ。17時からは水産物調理実習である。院生時代に実験所の花板と呼ばれたPDのFくんに指導されていろんな魚貝類を調理する。意地悪な私が仕入れたホウボウ,カワハギ,サバフグなど,普段余りお目にかからないものの調理をワイワイとやり,おきまりの宴会となった。ほとんどの学生にとって初体験の味が多かったが,予想外のうまさに堪能したらしい。
 21日は実験所の緑洋丸に乗船し,海洋調査を体験する予定だったが,少し時化模様だったため午前中で切り上げて帰港した。最終日は朝から舞鶴魚市場を見学した。京都府各地から運び込まれたいろんな魚貝類の生態や漁法,暮らしとの関わりを解説した。学生たちは初めて見るセリが何をやっているのかまったく分からずかなり驚いた様子であった。ついで宮津にある水族館「魚っ知館」でバックヤード見学会を行った。飼育の苦労話などを館長さんにうかがう。最後は恒例の成相山に上り,雪に埋もれた境内にびっくりする。眼下に天橋立を眺めながら海岸地形のでき方や海面にできた潮目の解説などを講義して2泊3日のポケゼミは今年も無事終了した。