ILASセミナー報告2020「1×2×3×4=サスティナビリティ」

ILASセミナー報告2020「1×2×3×4=サスティナビリティ」

森林育成学分野 教授 德地 直子

 現在,都市に人口が集中し,その暮らしに自然を感じることは少なくなっています。そして,あらゆる生活の基盤は自然の創造物に依存しているのに,それらが産み出される現場(森や川や海)や過程との解離は大きくなっています。
 その結果,自然がないがしろにされ,地球温暖化や生物多様性の喪失など多くの環境問題が生じ,私たちの生活がおびやかされています。
 本講義では,私たちが持続可能であるには,そして何より,私たちを支える自然の持続可能性とは何か,どうしたら自然と私たちが健やかにいられるのか,生態学や心理学,さらにアート・デザイン的な感性を含め,多様な視点から検討を加えるため,企業や京都芸術大学から講師をお迎えしました。コロナで直接議論できない中,zoomで交流を重ねましたが,最後に上賀茂試験地を訪れ,人が会って会話することの大切さ,自然の広がりを感じることができました。
 異なる立場からの持続可能性に対する見解を学び,それらを自分のものとして,持続可能性とは遠いところのものではなく,身近な自分の生活から考えていくものだという感想が得られました。

年報18号 2020年度実習報告