新人紹介 河村 真理子

新人紹介  河村 真理子

基礎海洋生物学分野 河村 真理子 講師

 2025年4月に瀬戸臨海実験所に講師として着任しました。私は12年半の間、「黒潮海域における海洋生物の自然史科学に関するフィールド教育共同利用拠点」に認定されている同実験所の研究員あるいは特定講師として、教育研究活動を行ってきました。
 瀬戸臨海実験所は、2011年度より教育拠点としてのべ1万5千人の学生を受け入れ、共同利用の場として施設を開放し、教育プログラムを提供しています。教育拠点の主な役割は臨海実習の実施で、中でもフィールド実習に第一義を置いています。
 現在知られている32の動物門の約半分は海洋生物であり、陸上や淡水では見られない生物が、実験所周辺の自然海岸では容易に観察できます。そこで、臨海実習において、多様な海岸生物への理解を深めることを目的とし、私は実験所の教員・技術職員・学生とともに「白浜の海岸生物観察ガイド」を作成しました。本書には白浜の海洋環境の解説とともに、海岸に生息する動物・海藻・陸上植物396種が掲載されており、学内外の実習で得た知識を詰め込みました。これまで累計6500部以上を共同利用者に配布し、教育研究に活用しています。実習を重ねるごとに知見は増えていきますので、本書も合わせて増補改訂していく予定です。
 最後になりましたが、私の専門は刺胞動物(特にクラゲ)の海洋生態です。最近では、市販の図鑑や動物系統分類学の教科書で、刺胞動物の章の執筆を手掛けています。

(参考)「白浜の海岸生物観察ガイド」

ニュースレター66号 2025年06月