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イベント お知らせ

「どうする?私たちと森とのつながり!」京都丹波高原国定公園ゼミ第四講 開催のお知らせ

 12月17日に京都丹波高原国定公園ビジターセンターにて行われる講演会にて、石原林長が「森の恵みはどう変わってきたか:資源から心の豊かさへ」というテーマで講演を行います。芦生研究林を事例に木質資源利用から研究・観光・教育利用、さらに森林生態系サービスとその先の展開などを講演する予定です。
 ご興味のある方は、ぜひご参加いただければ幸いです。

 詳細及び申し込みにつきましては京都丹波高原国定公園ビジターセンターのHPからご確認ください。
 なお、芦生研究林では申し込みの受付をしておりません。申し込みは全て京都丹波高原国定公園ビジターセンターで行っていますので、ご注意いただきますようお願いいたします。

 以下からチラシ(pdf:1.1MB)をダウンロードできます。

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お知らせ

映画「唄う六人の女」の公開にむけて

石原正恵(芦生研究林林長)
2023.10.23



 2023年10月27日公開予定の映画「唄う六人の女」の森のシーンのいくつかは芦生研究林内で2022年に撮影されました。芦生研究林は大学の教育研究の場として京都大学が管理しています。

 この度映画撮影を許可したのは、映画のテーマが、芦生研究林、そしてその所属部局である京都大学フィールド科学教育研究センターのミッションである「森里海連環学」に通じるところがあったからです。

 「森里海連環学」の「里」というのは人間社会を指します。つまり、森・ 川・ 海と人間社会がつながっている、しかしそのつながりが失われ変化してしまった結果、生態系や人間社会に大きな問題がおこっている。それを様々な学問分野や社会の皆様と協働し、解決を目指していく、それが「森里海連環学」です。

 我々は毎日、この芦生研究林で教育研究活動と森の保全を行っています。ほぼ毎日森と向き合って仕事をしています。しかし、日本国民の大多数はこうした農山村から遠く離れた大都市に暮らし、森と日々の暮らしとのつながりを感じることもなく暮らしています。
 
 かつて、森は、炭・薪などのエネルギー、肉・魚・木の実・きのこなどの食料、木材など、我々の生活に不可欠な資源を供給し、信仰の対象でもあり、文化が形成される場でもありました。しかし、そのような暮らしを現在でも続けているのは農山村でも一部の人だけとなってしまいました。そして、森は、地球温暖化やシカの食害など、遠く離れてくらす人々も含めた人類による環境改変により、多くの問題に直面しています。我々を含め日本の森林研究者の共同研究(環境省モニタリングサイト1000)から、日本の森林において、今まで見られていた寒い気候を好む樹種が減り、より暖かい地方の樹種が増えていることがわかってきました。また日本各地で増えたシカが下草を食べ尽くし、様々な植物や昆虫などが姿を消していっています。皆さんの日々の生活と森はつながっているのですが、それに気づきにくいので、なおさら問題解決が難しいのです。

 こうしたことを伝えたくて、我々は日々活動していますが、接するのは学生さんなど森へ関心のある方がほとんどです。どうすれば、渋谷のスクランブル交差点や道頓堀におられる皆さんが森に思いを馳せて、少しでも森の価値や課題、自分自身とのつながりに気づいてくれるのでしょうか。

 「唄う六人の女」では、森や農山村に関心のなかった登場人物が、最終的にはそれらの価値に気づいていく映画とみることもできるのではないでしょうか。またエンターテーメントして本映画を見ていただけた皆さんが、森の素晴らしさやそこに棲む生き物たち、そして皆さんと森のつながりに気づいていただくという二重の気づきがあるのではと期待しています。さらに、本映画で描かれる開発は、かつて芦生の森において計画されたダム建設とも重なります。われわれ人類が森とどのような関係を結んでいくのかというテーマを提示してくれています。
 
 また本映画は我々にも気づきを与えてくれました。それは、本物のちからです。CG技術によって実物以上に美しく幻想的な自然が描かれている映画はたくさんあります。しかし、本映画に描かれる森は、日々我々が活動し、「美しい、幸せだなあ」と思っている本物の森がそのままに描かれています。改めて、フィールドの力に自信を持ち、またこの森を未来の世代に引き継いでいかなければならないと思いを強くしました。

 もう一点は、アカデミアと芸術・エンターテーメントという異なる分野の人の交流が可能ということです。撮影による環境負荷についてもご理解いただき、柔軟に撮影シーンや方法を検討いただきました。撮影方法や場所から、現場まで歩くルートに関してまで、撮影スタッフ、芦生研究林、ガイドさんの間で事前に度重なる打ち合わせを行い、調整や工夫をしてまいりました。ご理解・配慮いただきました石橋監督、撮影スタッフや俳優の皆様にお礼申し上げます。この経験は我々に全く異なる分野の皆様との理解・協力が可能であると改めて感じさせてくれました。

 では、そんな森を見たいという皆さまへ。芦生もりびと協会のガイドツアーをご利用いただくことで撮影現場の森をご自身で体験いただくことができます。遭難を防止し、貴重な自然を守り、そして農山村の持続的な観光産業を守るためにも、ガイドツアーをご利用頂きますようお願いいたします。また芦生の森を守り、森の秘密を解き明かす研究を進め、若い世代を育てるために、芦生研究林基金へのご寄付をぜひお願いいたします。

Suzuki SN, Ishihara MI and Hidaka A (2015) Regional-scale directional changes in abundance of tree species along a temperature gradient in Japan. Global Change Biology, 21: 3436–3444. DOI: 10.1111/gcb.12911.

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(終了しました/大学院生対象)菌類ワークショップ

 芦生研究林において菌類研究者と一緒にフィールド調査や研究議論を行うワークショップを開催します。
 大学院生を主な対象として、ワークショップへの参加者を募集します。紅葉も深まる研究林を菌類の目線からのぞいてみましょう。

・概要

 菌類多様性研究の促進と若手研究者の育成を目的として、フィールド調査体験とディスカッションを行うワークショップを開催します。
 新進気鋭の菌類研究者に調査を行っていただき、そのプロセスを参加者に共有してもらい、また研究発表や参加者間の自由な議論を行います。  
 今回は、菌類の中でもきのこ(地下生菌・冬虫夏草)や地衣類を中心とした菌類調査と、それらの多様性や系統、生態など幅広いテーマでお話ができると思います。また、芦生研究林や北海道研究林など、フィールド研施設の紹介や調査・研究の相談なども行えます。
 フィールドである芦生研究林は、関西有数のブナ林やトチ・カツラの巨木からなる畦畔林などを含む原生的な冷温帯林が広がっています。研究林内は1000種を超える植物種が記録されており、京都丹波高原国定公園の第1種・第2種と区別地域にも指定されています。自然についての詳細は概要ページをご覧ください。

日時
2023年10月27−29日

講師
橋本陽 (理研BRC)、山本航平 (栃木県立博物館)、升本宙 (信州大)
スタッフ:松岡俊将(京大フィールド研 芦生研究林)、杉山賢子 (京大フィールド研 北海道研究林)

主な対象
全国の大学院生定員:10名程度

参加費
無料 (ただし、芦生研究林までの交通費、宿泊費、食費は実費負担)

宿泊
芦生研究林の宿泊施設を利用(シーツ代550円、宿泊費300円/一泊、学生は宿泊費無料)。
詳細は研究林ホームページの施設参照。

・スケジュール案(詳細は変更になる可能性があります)
10月27日 11時 芦生研究林事務所前に集合

   27日午後と28日終日 研究林内で調査

   28日 夜 講師による研究発表と参加者の研究のフラッシュトーク、試料処理の見学と交流会

10月29日 朝 解散

申し込み
 担当教員の松岡(matsuoka.shunsuke.8e*kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください))までメール
 同一研究室内で複数人の参加希望がある場合は、集約して代表の方から連絡してください。

 申し込み締め切り
 10月19日 (ただし定員に達し次第、受付を終了します)

アクセス
 ホームページをご確認ください。

 また27日と29日はJR園部駅まで送迎を行う予定です。
 人数に限りがありますが希望する方は申し込みの際にお知らせください。

その他
 参加者は各自でイベントや野外活動の保険に加入した上でご参加ください。

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(募集終了)公開森林実習I「近畿地方の奥山・里山の森林とその特徴」 受講者募集のお知らせ

※募集定員に達しましたので募集を終了いたしました。(7/10)

現在、公開森林実習I「近畿地方の奥山・里山の森林とその特徴」の受講者を募集しております。

参加を希望される場合はこちらをご覧の上、

特別聴講学生として受講する場合は 6/16(金)

特別聴講学生とならずに受講する場合は 7/14(金) までに必要書類をご提出ください。

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イベント お知らせ

芦生講演会「シカの食害による芦生の変化ときのこ相〜新たなモニタリングと協働」

8月27日に京都府立植物園において講演会を行います。今年は芦生のキノコに関する話題です。
詳細は下記記載内容をご確認ください。なお事前申込が必要で先着60名様までです。

日時:令和5年8月27日(日)10:00-12:00
場所:京都府立植物園・植物園会館2階 研修室
アクセス:京都府立植物園のウェブサイト(https://www.pref.kyoto.jp/plant/)を参照ください。
参加費:無料 ただし、植物園入園料が必要
主催:京都府立植物園
   芦生生物相保全プロジェクト (http://www.forestbiology.kais.kyoto-u.ac.jp/abc/)
   京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林
後援:公益財団法人・自然保護助成基金、一般財団法人 タキイ財団
申込(締切8月18日17時):ウェブフォーム(https://forms.gle/61xJHNppHtSRArndA
             もしくは電話0771-77-0321(京都大学芦生研究林)

 芦生の森のきのこ世界へようこそ 一年の一時期だけ姿を現す、きのこ。
 本講演会では、芦生の森ガイドとともに56年ぶりとなる芦生のきのこ相を取りまとめた赤石大輔氏(大阪産業大学)と、環境DNAを用いた菌類の多様性を研究している芦生研究林の松岡俊将氏(京都大学)から、これまで十分研究されてこなかったきのこの多様性の謎に迫る最新の研究成果についてお話し頂きます。
 さらに本年4月に開設されたきょうと生物多様性センターについて平野滋章氏(京都府)にご紹介いただきます。

タイムスケジュール表
司会:阪口翔太(京都大学人間環境学研究科)

9:30開場
10:00開催挨拶京都府立植物園園長戸部 博
10:10芦生研究林でのシカによる生態系改変と
回復に向けた取り組み
京都大学フィールド科学教育研究センター石原 正恵
10:25芦生のきのこ相を知る:
これまでわかったこと(録画放映)
大阪産業大学赤石 大輔
11:00DNA解析で探る目に見えない
菌類の多様性とその変化
京都大学フィールド科学教育研究センター松岡 俊将
11:30京都府における地域と連携した生物多様性保全の取組京都府自然環境保全課平野 滋章
11:45総合討論
12:00終了
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お知らせ 未分類

【重要】芦生研究林のメールアドレスが変わります

研究林を利用される皆様に大切なお知らせがあります。
芦生研究林が利用しているインターネットのメールサービスが2023年9月末に終了するため、今まで使用していた研究林のメールアドレスが使用できなくなります。
そこで以下の通りE-mailアドレスの変更を行います。

旧E-mail:asiu(アットマーク)cans.zaq.ne.jp

新E-mail:ashiu.cans(アットマーク)mail2.adm.kyoto-u.ac.jp

旧E-mailアドレスでの受信は2023年9月末日までとなります。
新E-mailアドレスは既に使用できますので、順次移行手続きをお願いいたします。

大変お手数ではございますが、アドレス帳登録情報の更新や迷惑メールフィルターの設定をされている場合は、変更の程よろしくお願いいたします。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

関連HP:https://www.kcn-nantan.jp/support/user/zaq/ (KCNなんたんHP)



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イベント お知らせ

(終了しました/記念冊子作成)フィールド研20周年記念行事のお知らせ

 ※2023年11月29日追記
 ご来場・配信視聴いただきありがとうございました。
 フィールド研創設20周年を記念して「京都大学フィールド科学教育研究センター 20年の歩みとこれから」(16p冊子)を作成しました。フィールド研HPよりダウンロードできます。
 


 京都大学フィールド科学教育研究センターが創設され、今年で20年を迎えました。
 そこで2023年11月19日(日曜日)に創設20周年記念式典とシンポジウムを京都大学百周年時計台記念館百周年記念ホールにおいて開催いたしました。
 詳細につきましてはフィールド研20周年記念サイトをご覧ください。

 

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お知らせ

学生宿泊所の大浴場を改修致しました。

男女共用だった学生宿泊所の大浴場を改修し、個人用ユニットバスとシャワーブース(全5室)が完成しました。脱衣所も含めて全てのユニットを完全に個室化しました。
芦生研究林では、誰もが安心して利用できる環境を目指した施設整備を進めています。

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お知らせ 学生実習 未分類

森里海連環学実習III :暖地性積雪地域における冬の自然環境 実習報告

2022年度の森里海連環学実習Ⅲが2月20日から2月22日の日程で、芦生研究林において行われました。参加した学生は京都大学農学部、経済学部、法学部、総合人間学部、工学部の1〜4回生13名でした。芦生研究林内や美山町内の施設の見学、地域の方のお話を伺うことで、積雪地域の森林の様子や人の生活を学びました。

実習初日は道の駅の見学や多雪地域での生活の様子を見学しました。
午前は道の駅ウッディー京北、道の駅美山ふれあい広場、京都丹波高原国定公園ビジターセンター(以下、ビジターセンター)の見学を行いました。各施設では外装・内装の見学や、特産品の見学を行いました。
午後は午前の簡単なまとめをビジターセンターで行ったあと、美山かやぶきの里の見学を行いました。見学後芦生に移動し、多雪地域で家屋などへの雪害軽減のために行われる「雪囲い」の解説を、地元の方に行っていただきました。あらがわない、自然とともに生きていくという考え方に触れ、忙しなく人工環境を維持しようとする都会の考え方との大きな違いを感じた学生もいました。
芦生研究林に到着後はスノーシューの足慣らしを行いました。その後、夕食を自炊しました(きのこと、地元美山町産の鹿肉とお米を使ったカレー)。とても美味しかったと学生さんに好評でした。
夕食後、芦生研究林内の過去約100年間の積雪データを解析する演習が行われ、地域の方からうかがった雪が減ってきているというお話と、データの対比を行いました。

実習2日目は積雪断面調査と冬季の森林散策を行いました。
実習1日目から2日目間の一晩で20~30cmほどの積雪があったため、午前は積雪断面調査前に簡単な除雪作業と、資料館見学を行いました。除雪・見学後に宿泊所前で3班にわかれて積雪断面調査を行いました。
午後はスノーシューを履き、林道を歩きながら樹木の冬芽の観察など、3時間ほどフィールドワークを行いました。雪質の違い、樹木がどのように厳しい冬に順応・適応進化してきたを学びました。
この日は夕食後に「トチノキの伝統的利用と地域資源としての活用」というテーマで講義が行われました。

実習3日目は栃へし作業と、ビジターセンターでグループディスカッションを行いました。
午前は宿泊所で栃へし(栃の実の皮を剥く作業)を行いました。芦生研究林は地域住民・団体と、栃の実プロジェクトを進めています。このプロジェクトではトチノキの保全、栃の実の地域づくりへの活用、教育を一体的に協働してすすめようとしています。その一環で、栃へしを学生さんにも体験してもらい、伝統知やこうした超学際研究プロジェクトを学んでもらうため、実施しました。地域団体の方から、作業の手順や専用の道具の使い方、そして栃を利用する文化を守りたいという思いを話していただきました。またこの日の昼食に栃餅をいただきました。栃餅ができあがるまでに栃へしを含めとても手間がかかっており、あく抜きのための灰の入手など人が森とともに暮らしてきた生活があってこそ成り立ってきたことに気づき、栃餅の価値を初めて知り、もっと都市住民にも知ってもらいたいという意見や、かつては各家庭で行われていた栃へしが、現在は共同作業として行われており、そこに住民間の交流が生まれ、機械化することの是非について考えを深めた学生もいました。
午後はビジターセンターに移動し、ビジターセンター運営協議会の事務局長の吉永さんに「京都丹波高原国定公園ビジターセンターの特色」というテーマで、センターの活動や特色に関する講義をしていただきました。そのあと、自然と人をつなぎ、地域経済にも貢献することを目的にビジターセンターで扱う商品の開発をテーマにグループディスカッションを行いました。グループディスカッション後は京都への帰路につき、レポート課題として提案をまとめることになっています。

今回の実習を通して、たくさんの地域の方によるご支援・ご協力を賜り、より芦生らしい実習を行うことができました。研究林教職員だけではなく地域の方とも交流を行うことで、冬山でのフィールドワークのみならず、積雪地に対応した地域生活や文化といった幅広い知見を学生達は得ることができました。また地域の方々の生の声を聞き、様々な価値観や生き方に触れ、他では得がたい学びとなったと思います。今回は食材や弁当の調達もできるだけ地域で行うように工夫しました。今後も地産地消や地域経済を考慮した実習に取り組んでいきたいと考えています。

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VR動画等オンライン教材制作に関する技術検討会

 2023年3月1日にフィールド研森林系技術職員を対象としたオンライン教材に関する技術検討会を上賀茂試験地で開催しました。コロナウィルス感染拡大を機に、オンラインやハイブリッド形式の講義が増加し、フィールド研の各施設においてもオンライン教材等の充実が求められています。そこでこの会では、施設ごとのオンライン教材の活用例を共有し、様々な教材の利点や可能性を検討することを目的としました。講師を芦生研究林の岸本技術職員、永井技術職員が務め、受講者は現地参加13名、オンライン参加5名の計18名でした。

 午前は、「VRと360度映像」について撮影・再生機器の紹介、撮影のポイントなどの講義と撮影体験が行われました。まず、講義でVR(バーチャルリアリティ:仮想現実)、AR(オーグメンテッドリアリティ:拡張現実)、360度動画、360度静画などの特徴と利点や撮影方法の要点の解説がありました。講義後に、参加者が実際にフィールドで360度動画の撮影を体験しました。

 午後からは「施設ごとのオンライン教材の活用事例紹介」が行われました。芦生研究林では、普段遠すぎて入りにくい奥山が大部分を占めます。そこで、研究林内の観察と解説を聞くことができる360度のVR動画や、それを複数人で同時に視聴できるシステムをKDDI株式会社や舞鶴工業高等専門学校の学生と共同開発したこと、そして、林内の観察コースを360度の静止画をつないでストリートビューのように見ることができるシステムを運用していることが紹介されました。北海道研究林では、学生実習での事前学習用に毎木調査の実施方法の解説動画や樹木伐採から現存量の推定に至る解説動画を作成し運用していることが紹介されました。上賀茂試験地では、野外実習を360度動画で終始撮影し事後学習や記録として活用していることなどの紹介がありました。

 最後に今後のオンライン教材の活用方法について検討が行われました。いずれの教材も現地に行かなくても視認・視聴でき悪天候やコロナ過で人が集まれない状況での運用には優れています。その上で、VR動画は、臨場感や没入感での有効性があげられ、一方で360度静止画の運用においても定点観測調査など記録として有効性が考えられます。さらに、学生実習以外でも一般公開での運用や技術の訓練などで活用できる可能性があります。こうした利点や活用法など教材の様々な面について参加者間で意見交換を行い終会しました。