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教職員の動静

新人紹介 向井宏


 10月から海域陸域統合管理学研究部門の特任教授として赴任してきました。2007年3月にそれまで勤めていた北海道大学を退職して、「海の生きものを守る会」を創設し、沿岸生物と環境の保全運動に取り組んできました。
 東大海洋研究所や北海道大学では、主に沿岸のベントスや海草藻場の群集生態学を研究してきましたが、北大の厚岸臨海実験所に行ってから陸と海の関係について関心を持ち、2000年から厚岸水系で陸上生態系と沿岸生態系の相互作用に関する研究を本格的に始めました。その契機は漁業者から「植林しているのに牡蠣の生産が良くならないのは何故?」と問われたことでした。科学がその答えを持っていないのは問題だと思ったのが、この研究を始めるきっかけでした。その後、北大でも組織改編で北方生物圏フィールド科学センターが創設され、多くのフィールド研究者が生態系間の関係に関心を持ってくれるようになりました。
 北大に続いて京大でもフィールド科学教育研究センターができ、私と山下さんで相談して、北大と京大の施設がある厚岸水系(京大標茶研究林と北大厚岸臨海実験所)と古座川水系(北大和歌山研究林と京大紀伊大島実験所・瀬戸臨海実験所)で、森里海連環学の北大・京大合同実習を実施することができました。この実習はその後も続いており、このたび私が現在の職について再びこの実習のまとめ役をやることになったのは、始めた以上最後まで責任をとれといわれているのだと思っています。幸いなことに、この合同実習では両大学の実習生の同窓会も行われているようで、合同実習の成果もこれから期待されるのではないかと喜んでいます。皆様のご協力を今後ともぜひお願いしたいと思います。

ニュースレター15号 2008年11月