新人紹介 長谷川 尚史

里域生態系部門 里山資源保全学分野 長谷川 尚史


5月1日付で里山資源保全学分野准教授に着任いたしました。1999年まで、フィールド科学教育研究センターの前身の一部である農学研究科附属演習林に所属していたことがあります。私にとってフィールド科学教育研究センターは、最初に研究者、そして社会人としてのキャリアを積ませていただいた教育研究機関であり、人一倍強い愛着を持っています。
私はこれまで,空中写真の解析、GISを用いた森林管理、森林でのGPS利用技術、素材生産作業のモデル化とコスト評価など、様々な技術的研究を行ってきました。その根底にあるのが、演習林勤務時代に得た「森林を持続的に利用しながらうまく付き合っていくための社会の仕組みとはどのようなものだろうか」という視点です。
環境、経済、社会に関する多くの要因が複雑に絡み合う森林との付き合い方を考える上では、様々な専門分野から得られる自然の機能についての知見をもとに、それぞれをバランスよく、経済的、社会的にも長期的に継続可能な形で発揮させる社会の仕組みづくりが必要です。森里海連環学は、まさにそのような新しい時代の概念であり、フィールド科学教育研究センターは森林と海洋を結ぶ人間活動を考える上で、非常に重要な役割を担った教育研究機関であると考えています。
今後,森林だけでなく様々な分野の専門を学びながら、森里海連環学の発展と新時代の社会づくりに少しでも貢献できれば、と考えておりますので、皆様のご指導とご協力を、どうかよろしくお願いいたします。

ニュースレター14号 2008年7月