新人紹介 FLORES URUSHIMA, Andrea

森林育成学分野 FLORES URUSHIMA, Andrea 特定助教

 私は環境に配慮したデザインに興味があり、ブラジルの大学の建築都市計画学部で学びました。卒業課題として、サンパウロ大都市圏のスラムから農村地域に移動した家族の生活様式の変化を、住居と共通領域の規模・性格・配置、生産地へのアクセスなどの点から調査しました。農村地域に移動した元ホームレスは、政府から援助を受け、自分の家を建てることができ、生産するための土地の提供も受けました。家族の人数が多いほど(例えば、子供が6人いる夫婦)、農村地域が住み良いという認識がありました。暴力や麻薬の多いスラム街から離れて、自然の中で子育てすることは良いように思われました。一方、家族がいない単身者には、自然の中での生活はとても難しく、暮らしづらいように見受けられました。それは、都市の中で、人々と出会い、色々な場所に移動し、福祉施設でサポートを得ることができなくなったからと考えられました。その後、都市に人間が集まる意味を探求しながら、都市の形成の基本になる要因、都市を作る概念、都市と環境の調和的共存の可能性を求めて研究の道に入りました。ブラジルでも、日本でも、様々な状況下で多様な地域の人々や物質を結びつけている、目に見えないつながりを発見することは、魅力的です。遠く離れた地域でも、街づくりや村づくりにまつわる共通点やバリエーションを発見することができるかもしれません。それは、人間の普遍的な特性と地域環境の特殊性が組み合わさった結果です。現代世界の多様性と複雑性に気づくことで、より良い世界を創造するための条件を作り出すことができると考え、研究を続けています。

ニュースレター53号 2021年2月 新人紹介