新人紹介 中野 智之

基礎海洋生物学分野講師 中野 智之

 2021年4月に基礎海洋生物学分野の講師に着任しました。2011年4月に同分野の助教として着任しましたので、瀬戸臨海実験所のある白浜での生活は11年目に突入しました。
 専門は軟体動物の分子系統学で、主にカサガイを研究の対象とし世界中を飛び回っていました。京都大学に着任してからは、分子系統学以外にも様々な研究を展開する事となりました。一つは瀬戸臨海実験所が管理する畠島での海岸生物群集-世紀間調査です。1969年に開始されたこのモニタリング調査を2013年より引き継ぎ、その歴史の重さに身の引き締まる思いです。また2019年には、このモニタリング調査が全国的に知られた事をきっかけに、環境省による西之島環境総合学術調査隊に抜擢されました。これは噴火によって新しくできた島での生物相調査で、人生初の乗船調査およびウェットランディング(泳いで上陸)を経験しました。調査の3か月後に大噴火したのは驚きました。また臨海実験所として海の側という立地を活かした軟体動物の生活史調査やカサガイの人工授精などにも取り組み、ごく最近では環境DNA を用いた研究もスタートさせました。
 もともとの趣味であった釣りにおいても、白浜では様々な魚種を狙う事ができ、コロダイ70cm、ブリ90cm、アオリイカ3.7kg などの大物を手にすることができました。
 今後も海の側にいる利点を活かし、様々な研究を展開すると共に、まだ見ぬ大物も釣り上げたいと思います。

ニュースレター54号 2021年6月 新人紹介