井上 博さん、山下 洋特任教授他が日本水産学会 論文賞を受賞

井上 博さん、山下 洋特任教授他が日本水産学会 論文賞を受賞

2024年3月28日に、井上 博さん((元)農学研究科大学院生)、山下 洋特任教授他が、令和5年度日本水産学会論文賞を受賞しました。

 対象となった発表内容は以下の通りです。

Fisheries Science 89巻5号:573-593 (2023)

Impacts of regime shift on the fishery ecosystem in the coastal area of Kyoto prefecture, Sea of Japan, assessed using the Ecopath model
(エコパスモデルにより推定した京都府沿岸域の漁業生態系に対するレジームシフトの影響)

井上 博,亘 真吾,澤田英樹,Edouard Lavergne,山下 洋

DOI:10.1007/s12562-023-01691-9

【要旨】京都府沿岸域を対象に寒冷/温暖レジーム期,漁業構造が異なる1985年と2013年のエコパスモデルを構築した。両期間で複数の生態系指標値を比較し,生態系構造の変化や生態系に対する漁業の影響を評価した。漁獲物の基礎生産要求量は1985年の方が高く,マイワシの影響の大きさを反映していた。漁獲物の平均栄養段階や雑食度指数は,温暖期に食物網構造の安定性が高まったことを示唆した。漁業の持続性を示すPsust解析では,定置網が主体の2013年の漁業構造が,まき網と定置網が主体であった1985年より持続的な漁業に貢献していることが示された。

(参考) 日本水産学会ウェブページ 令和5年度日本水産学会論文賞の選考結果について