チャリティートーク&ライブ“森よ、川よ、海よ、甦れ!”

フィールド科学教育研究センター長 田中 克


 京都大学、高知大学、高知県の共同利用施設「横浪林海実験所」を拠点とした森里海連環学を支援するチャリティートーク&ライブ“森よ、川よ、海よ、甦れ!”が2006年10月20日(金)に土佐市市民会館において、会場一杯の600人を集めて開催されました。昨年の南こうせつさんを引き継いで、今年はイルカさんが全面的に協力して下さいました。第一部のトークは作家のC.W.ニコルさん(京都大学フィールド研社会連携教授)の司会で、歌手のイルカさんとアウトドアライターの天野礼子さんの3人が、それぞれの森や川や海への想いを語られました。ニコルさんは自らの北極やエチオピアでの経験と黒姫山麓での森づくりを、イルカさんは自分の生い立ちと自然のつながりを、そして天野さんは川の再生には森の再生が不可欠との思いから森仕事に全力を傾けていることなどを語られました。それぞれの豊かな経験と独特の語り口が不思議に調和して、熱い思いが、聞いている皆さんの胸に滲み込んで行く雰囲気が感じられました。約40分ほどのトークの後、ニコルさんに壇上に呼び出され、森里海連環学の高知での普及への温かい御支援のお礼と、自然と自然、人と自然そして人と人のつながりを深める森里海連環学の今日的意義について話をさせてもらいました。

 第二部はイルカさんの代表作『なごり雪』をはじめ10数曲が軽妙でしかも深い思いのこもった語りとともに歌われ、聴衆を魅了しました。土佐市でのライブはチャリティーでしたので、イルカさん達は終了後直ちに愛媛へ向かわれ、翌日の“仕事”に備えられました。残念ながら、話をする機会はありませんでしたが、当日午後に横浪林海実験所を訪問され、素晴らしい眺めを前に、「ここでコンサートが開ければ素敵ね」と感想をもらされたそうです。イルカさん、高知までお越しいただき、チャリティーに御協力下さって本当にありがとうございました。森里海連環学が一層広まり、森や川や海の再生につながるように頑張りたいという気持ちを新たにしました。なお、チャリティーの収益金は横浪林海実験所に学生が泊まれる条件整備などに使わせていただく予定です。

ニュースレター9号 2006年12月 ニュース