吉川雄大さん(農学部4回生)他が優秀発表賞を受賞

2021年12月5日に、オンラインで開催された令和三年度日本水産学会近畿支部例会において、海洋生物環境学分野の吉川雄大さん、山下洋特任教授、三田村啓理教授、久米学助教他が、優秀発表賞を受賞しました。

吉川 雄大(農学部4回生),田中 智一朗(株式会社 田中三次郎商店),渡邊 俊(近畿大学),山下 洋(フィールド研),三田村 啓理(フィールド研),久米 学(フィールド研)
「赤外線ビデオカメラによるニホンウナギの堰遡上の実態解明」

(研究紹介)
 堰などの河川横断工作物は水生生物の遡上の妨げになると言われています。そこで本研究では、2021年2月から5月にかけて、和歌山県を流れる小河川で赤外線ビデオカメラにより高さ165cmの堰を登るニホンウナギを撮影し、その遡上生態を 調査しました。その結果、ニホンウナギは夜間に、全長9センチ前後の個体が、水量の少ない場所を通って、堰を登ることが明らかになりました。また降雨とそれに伴う河川の増水後に遡上個体数が増加することが示唆されました。今回の撮影では全長15cm以上の個体が堰を登る様子は確認されず、堰によって上流への移動が阻害されたと推測されます。堰を登ることができない個体の全長を決定する要因は堰の高さ、壁面の凹凸、壁面の角度といった複数の要素のうち何なのか、今後検証していく必要があります。そのために、今後は様々な形状の堰を対象に研究を行い、優先して対策すべき堰の選定指標の提示を目指していきたいと考えています。