瀬戸臨海実験所 加藤哲哉
実験所水族館(通称:京都大学白浜水族館)にライブカメラが設置され、2010年3月8日より運転を開始しました。吉田キャンパスに設置したライブカメラに対する反響が高かったことから、学内のライブカメラの増設が計画され、当水族館への設置の提案をうけて、山本善万技術職員と大坪博史事務掛長が中心となって準備をすすめ、実現したものです。
カメラを設置したのは「岩礁 黒潮の豊かな生物」と題した403号水槽です。間口6m奥行き2.6m水深1.6mの水槽に、白浜周辺の浅い岩礁に見られる魚類約30種、造礁サンゴ類やヒトデ類、ヤドカリや巻貝などの無脊椎動物約20種を飼育しています。これだけ様々な無脊椎動物と魚類を同じ水槽で飼育しているのは全国の水族館でも珍しく、当館自慢の水槽ですが、生き物が多様なだけに毎日見ていても新しい発見があります。この中に塩ビ管を利用した水中ハウジングを沈め、水槽の中から見た映像が撮影できるようライブカメラを設置しました。
この水槽は共生する藻類の光合成で生育するサンゴイソギンチャクや造礁サンゴ類を飼育するため太陽光を取り入れていますので、晴天の日は水槽全体がキラキラ輝きます。その中をオヤビッチャ、クマノミなどのスズメダイ類や、胸ビレで羽ばたくように泳ぐオトメベラなどのベラ類、縞模様のキンチャクダイや丸っこい体がかわいいフグなどが泳ぎ、時折カメラの目の前を横切ります。他の魚についた寄生虫などを掃除する、ホンソメワケベラのクリーニング行動を観察できることもあります。
ライブカメラの映像は、京都大学や白浜水族館のホームページから見ることができます。カメラは24時間運転していますが、夜間は照明がないため真っ暗です。通常、朝8時半ごろと午後3時ごろに給餌しますので、ライブカメラでも魚が餌を食べる様子も観察できます。また、例年10月ごろ、年に一回水槽の水を全て排水しての大掃除を行います。運がよければ、その様子を見ることができるかもしれません。
ニュースレター20号 2010年8月 ニュース
(注)2017-02-13 設置者である企画・情報部広報課が運用停止