公開シンポジウム「文化を支え、引き継ぐために」

2013年12月8日(日)、キャンパスプラザ京都において、公開シンポジウム「文化を支え、引き継ぐために」が開催されました。(参考掲載)

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〈開催趣旨〉
 日本文化を象徴する伝統的木造建造物とその技術を未来に継承するために、建造物の維持に必要な木材や茅などの植物性資材を安定的に確保するための基礎的な研究を進めてきました。国指定の文化財建造物は約4600棟、およそ9割が木造建造物です。そのうちの約半数は檜皮、こけら、茅などの植物性資材で屋根が葺かれています。こうした建造物を維持するためには、高品質の資材が必要です。近年、社会・経済状況の変化にともない植物性資材、とりわけ大径木や屋根用資材の確保が難しくなってきています。そこで、資材を使用する修理技術者側と、供給する森林管理者側との両者の研究成果を発表します。

公開シンポジウム「文化を支え、引き継ぐために」
科学研究費補助金研究成果報告会「文化的価値のある伝統的木造建造物を維持するための植物性資材確保の基礎的要件の解明」(平成23年~25年度)

日時:2013年12月8日(日)13:30-17:00
会場:キャンパスプラザ京都5階 第1講義室(京都市下京区西洞院通塩小路下るビックカメラ前)
主催:科学研究費補助金研究グループ

 ※入場無料、申込不要

プログラム:
 檜皮採取がヒノキの材質に及ぼす影響
  古賀 信也(九州大学)

 檜皮採取前後のヒノキ木部の物性比較
  斎藤 幸恵(東京大学)

 檜皮剥皮がヒノキの年輪成長に及ぼす影響について
  門松 昌彦(北海道大学)

 檜皮を採取したヒノキ材の原木市場における評価
  坂野上 なお(京都大学)

 社寺建築に利用された木材からみる近世の森林資源利用
  能城 修一(森林総合研究所)

 茅葺屋根の保存と普及に向けた取り組み
  後藤 治(工学院大学)

 植物系屋根資材の屋根暴露に伴う劣化性状と改質処理
  田村 雅紀(工学院大学)

 木曽ヒノキ天然林の成長量評価
  山本 博一(東京大学)

 近世後期から近代における寺院本堂屋根構造の変化と使用大径材の材種等について
  江面 嗣人(岡山理科大学)

 植物性資材屋根の景観特性について
  斎藤 馨(東京大学)

問い合わせ先:
 〒277-8653 千葉県柏市柏の葉5-1-5
 東京大学大学院新領域創成科学研究科自然環境学専攻
 山本 博一(教授)
 yama*k.u-tokyo.ac.jp(*を@に変えてください)