新人紹介 山守 瑠奈

新人紹介  山守 瑠奈

基礎海洋生物学分野 助教 山守 瑠奈

 2021年10月1日に瀬戸臨海実験所の助教に着任しました。京都大学では学部からPD まで人生の3分の1近くを過ごしており、中でも舞鶴水産実験所と瀬戸臨海実験所には学びと研究活動の面でとてもお世話になってきました。
 研究の専門は海洋ベントスの自然史で、日本各地を東奔西走しながら、主に共生系の面から生物の生き様を紐解くことに熱中してきました。特に、岩盤うがに穿たれたウニの巣穴の住み込み共生生物相や、巣穴の共生者の生態を重点的に調べており、約5年間の研究成果は書籍として出版されました(『たくましくて美しいウニと共生生物図鑑』、創元社、2021年10月)。共生者のイチオシは、つぶらな眼点が可愛い貝類ハナザラで、巻貝の系統にありながら笠型の殻を持つという変わった形態と、共生生活に特化した行動を持ちます。
 近頃は、深海に生息しながら河川を通して流入した陸上の落ち葉を餌や巣材として利用する多毛類にも惹かれており、森と深海の深い繋がりに感銘を受けながら論文を執筆しております。
 黒潮の洗う生物多様性豊かな環境で大潮のたびに海に繰り出しながら、これからも様々な海洋ベントス類の自然史の解明に取り組みます。そして研究成果を、教育活動や学外へのアウトリーチ活動として広く発信していきたいと思います。
 趣味の筋トレとマラソンで培った体力を基に楽しく研究・教育活動に取り組んで参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ニュースレター56号 2022年2月 新人紹介