畠山先生と京大フィールド研

フィールド研センター長 舘野 隆之輔

 京都大学フィールド研社会連携教授の畠山重篤先生が2025年4月3日に逝去されました。畠山先生のご逝去を悼み、心より哀悼の意を表します。

 畠山先生は2004年度からフィールド研社会連携教授として、時計台対話集会での講演や大学における森里海連環学の講義、気仙沼での野外実習などをご担当いただきました。2003年に発足し、「森里海連環学」を提唱して教育研究に取り組んできたフィールド研にとって、「森は海の恋人」を掲げて実践的な取り組みを行い大活躍されている畠山先生は大きな目標でした。

 2023年11月のフィールド研20周年記念式典では、基調講演「森は海の恋人 人の心に木を植える」において、トレードマークの長靴を着用され、フィールド研とともに歩んだ20年を振り返りながら、気仙沼市舞根湾での教育研究活動や将来を担う人材育成について熱く語られました。20年を迎えたフィールド研に厳しくも暖かいメッセージを送っていただき、「森里海連環学」は大学の学問分野にとどまらず、森と里と海のつながりがもたらす恵みを、将来世代に引き継ぐための実践的なものにしていかないといけない、という思いを新たにしました。畠山先生には、もっとご指導をいただきたかったのですが、残念ながらそれも叶わなくなってしまいました。畠山先生がしめされた思いを、私たちが次の世代へとつなげていくことで、先生への恩返しができればと考えています。

 畠山先生のこれまでのご貢献に感謝の意を表しますとともに、安らかな眠りにつかれますよう心よりお祈りいたします。

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