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京都大学創立125周年記念アカデミックマルシェ 実施報告

2022年6月18日(土)ロームシアター京都にて京都大学創立125周年記念アカデミックマルシェが開催され、フィールド科学教育研究センター芦生研究林が「森林VR体験」をKDDI株式会社様にご協力いただき出展致しました。

 当日は天候にも恵まれ、128名という多くの方に、芦生研究林内の森の四季やシカの食害についてのVR動画の体験をして頂くことが出来ました。体験頂いた方からも「芦生に行ってみたくなった」、「昔、芦生に行った時のことを思いだした」、「シカの食害がこんなに深刻な問題だと初めて知った」などのご意見を頂きました。

森林をバーチャルで体験するという技術を通じ、芦生研究林の魅力や課題についてより多くの方に知って頂けたのではないかと感じています。

 森林VR動画はコロナ禍、ポストコロナにおけるフィールド実習を補う教材として、また、より多くの方に芦生研究林へ関心を持っていただく導入として活用しています。

この森林VR動画は、舞鶴工業高等専門学校ハンドメイド部様、KDDI株式会社様にご協力いただき制作いたしました。

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舞鶴工業高等専門学校及びKDDIとのVR連携成果発表会及び感謝状贈呈式が行われました。

芦生研究林と KDDI 株式会社は、芦生研究林の貴重な自然の保全と、バーチャルリアリティ(VR)を活用した最先端な大学教育などについて連携しています。2021年度にKDDIから紹介いただいた舞鶴工業高等専門学校 HANDMADE部と共に、芦生研究林の魅力や危機を伝えるVR動画を3本制作しました。

この3者共同プロジェクトの成果発表と動画作成のお礼として、2022年9月28日に、舞鶴工業高等専門学校への芦生研究林、KDDI株式会社による感謝状贈呈式および、VR連携成果発表会を開催しました。芦生研究林林長、赤石大輔助教、永井技術職員らが舞鶴工業高等専門学校へ伺い、HAND MADE部の部員の皆さんへ、感謝状を贈呈いたしました。KDDI関西総支社の田中稔総支社長や動画制作に関わった社員の皆様にもご参加いただきました。

芦生研究林では、鹿の食害による下層植生の衰退と生態系改変が大きな問題となっており、この状況を広く社会へ知っていただくことで、保全活動へのご支援を募ってきました。また、コロナ禍の中、芦生研究林での学生実習の実施が困難になり、どのように学生の教育を実施していくかが課題となっていました。このような状況下で、新しい技術であるVRを使って、学生をはじめ多くの方に芦生の自然と課題を知ってもらいたいというのがVR動画の制作を決めた理由の一つでもあります。

動画制作の部分を舞鶴高専HANDMADE部へ依頼し、研究林の見学やオンラインでの打ち合わせを重ね、約1年かけて3本の動画を完成させました。完成した動画は、2022年6月18日に開催された京都大学125周年記念マルシェで一般公開し、多くの方にご試聴いただきました。

HANDMADE部の皆さんには、動画の編集からナレーションまで全て行っていただき、素晴らしい動画が完成しました。打ち合わせを何度も行い、研究林側からの度重なる修正の指示を辛抱強く受け入れ、対応してくださった部員の皆さんに大変感謝しています。

感謝状贈呈式で久しぶりに部員の皆さんとお会いして、短い時間でしたが製作時のことを振り返る意見交換をしました。少し時間が経っていましたが、いろいろな話題が出て、話がつきませんでした。部員の皆さんにとって、芦生研究林にご協力いただくなかで学びとなり、また企業・大学との連携の経験やVR動画制作で獲得した技術や知識が今後活かされれば、芦生研究林の教職員一同としてとても嬉しく思います。

京大フィールド研が提唱する「森里海連環学」は森と海の、そして人と自然のつながりを考え、つながりを再生してくために社会と共に実践していく学問です。芦生研究林が由良川の上流から呼びかけ、KDDIという企業がつなぎ、由良川河口の舞鶴の学生が動いたこの取り組みは、まさに森里海連環学の実践事例と言えるでしょう。このような連携を今後さらに発展させていきたいと考えています。

以下、感謝状贈呈式での石原正恵林長の挨拶:

「本日は感謝状贈呈式及びVR連携成果発表会にご参集いただきまして大変ありがとうございます。

私は根っからのフィールド屋ですので、実を申しますと、KDDI様との連携が始まった2020年当初、VRには懐疑的でした。所詮、バーチャルはリアルにはかなわないと思っていました。しかし、静止画のVRコンテンツができあがり、それを新型コロナウィルス感染症により中止した実習の受講学生さんに体験いただいきました。そのとき、学生さんがとても驚いて、そして笑顔で帰っていきました。

こうしたことから、コロナ禍でのリアルな実習ができない場合の代替として利用するだけでなく、リアルな実習での学習効果をより高める教材として活用できることを確信するようになりました。

一方で、いつも率直な意見を述べてくれるガイドさんや、子どもたちからは、森の中を歩けたらいいのに、音がほしいなど手厳しいコメントがありました。そこで動画に取り組みたいと考えていましたが、動画となると一気に編集などの手間が増え、芦生研究林の教職員とKDDI様だけでは制作はできないことが課題でした。そこに、舞鶴工業高等専門学校HANDMADE部様のご協力が得られることになり、3本ものVR動画が本年度のはじめに完成しました。

早速、本年度、多方面で活用させていただいてます。まず教育面では7つの実習において133名の学生が体験しています。そのうち、8月に実施した森里海連環学実習でも活用しました。この実習では、由良川の源流である芦生研究林からスタートし、途中、水質やプランクトン、魚などをサンプリングしながら、由良川をくだっていき、最終的には河口に位置する舞鶴市にある京都大学の京都大学舞鶴水産実験所まで行きます。この過程で、森と海の繋がり、そして人間社会と森や海のつながりを学びます。この実習では、コロナの感染予防のため芦生研究林での実習時間が短縮せざるを得ませんでしたが、VR動画を活用し、シカの食害など森の学びを充実させることができました。

次に、一般の方向けのイベントでは、3件、304名の一般の方にご体験いただいてます。芦生の森を守っていこうという気持ちがより多くの方に伝わるようになり、芦生研究林へのご寄付を呼びかけることができました。この後も、京都大学一般公開「京大ウィークス」や実習などでの活用を予定しております。

さらに、本成果は、全国的なつながりへと発展しています。全国の大学演習林や研究サイトで作られたデジタルコンテンツのカタログとなるように、「デジタル森林教育コンテンツ」ウェブサイトを京都大学と北海道大学が中心となり作成しました。こうしたウェブサイトをつうじ、本VR動画が、芦生研究林だけでなく、広く森林教育に関わる人にご利用いただける可能性が広がってきています。

コロナ禍を機に日本社会、そして世界は大きく変わりました。学生の皆さんには、学びの機会が制限され、友達との体験も制限され、とてもつらかったろうと思います。しかし、コロナ禍がきっかけとなり、このようなご縁に恵まれ、バーチャルとリアルをつなぎ、空間を超えた対話と連携が生み出されました。

この経験が、これからの社会を切り開いていかれる学生の皆様にとって、少しでも力となり、自信となれば、教育機関としての京都大学芦生研究林として嬉しく思います。また我々も、舞鶴高専の学生さんの良いものを作り上げたいという若い真摯な気持ち、また内海校長と丹下先生の教育への熱意、KDDI様のプロジェクト推進のためのハードとソフトの両面での駆動力に背中を押され、多くのことを学ぶ機会に恵まれました。

芦生研究林は100周年を迎え、次の30年の目標として、「様々な生き物が棲む森へ 多様な人がともに学ぶ場へ」を掲げています。今回の取り組みは3者がそれぞれの得意な分野を活かし、ともに学び合いながら作り上げてきたものです。芦生研究林の森の課題解決だけでなく、地方や農山村、家族、人と人とのつながり、環境などを重視した持続的な社会の創出にむけた一歩となることを願っています。

このような大変素晴らしい成果をもたらしてくださいました、舞鶴工業高等専門学校の内海校長先生、丹下先生、HANDMADE部の学生の皆様、そしてKDDI株式会社様に、厚く御礼申し上げます。」

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京大ウィークス2022 芦生研究林一般公開 実施報告

10月22日(土)に京大ウィークス2022の一環として芦生研究林の一般公開を実施いたしました。当日は爽やかな秋晴れのなか、25名の方が参加されました。参加者の皆様には事前にお申込みいただいた希望ルートをもとに3班にわかれていただき、1,2班は原生林体験、3班は森林軌道としました。新型コロナウイルス感染症対策のため、1班あたりの人数を制限しました。原生林体験は大カツラと長治谷の間を1,2班の出発地点をずらして見学を行いました。原生林体験のコースはガイドツアー以外では一般入林することのできない、研究林内でも特に古くからの自然が残るエリアです。森林軌道コースは灰野集落跡までの道のりを往復しました。

両コースともに芦生研究林の教員と技術職員による生物や歴史文化の解説を交えつつ案内させていただき、終始和やかな雰囲気でした。構内に戻ってからは森林VR体験と、平日のみ開館している資料館を特別開放し、両体験を通じて芦生研究林の自然や歴史への理解を深めていただきました。どの企画でも皆様熱心にご質問頂き、この一般公開を通じて芦生の森をより身近に感じていただけたのではないのでしょうか。

今回の一般公開を機に、芦生研究林の森林や、森林で行われている様々な研究について一層のご興味をお持ちいただければと思います。
また今後とも芦生研究林の運営に、ご理解ご協力をいただきますようよろしくお願いいたします。

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京都府立植物園にて公開講演会「芦生の天然林と着生植物 -芦生の森を未来につなぐために-」が開催されます。

2022年8月21日(日)に、京都府立植物園にて
公開講演会「芦生の天然林と着生植物 -芦生の森を未来につなぐために-」を開催します。
VR体験会では、芦生の森とシカの被害についての360度動画をVRで体験いただけます。
※参加無料、事前申込制(申込締切8月14日(日)17時、講演会:先着60名、VR体験会:申込不要)

◆ 開催趣旨:京都大学芦生研究林には着生植物が豊富にみられる原生的な森があります。多くの研究者が調査を行ってきた芦生の森ですが、着生植物相やその生態特性の全容はいまだ明らかになっていません。本講演会では、芦生研究林で長年研究されている植物研究家・福本 繁氏とツリークライミングで着生植物の生活を調査されている東若菜氏(神戸大学)をお招きし、着生植物の魅力・芦生の森の希少性についてお話し頂きます。

◆ 主催:京都府立植物園、京都大学フィールド科学教育研究センター、芦生生物相保全プロジェクト
◆ 後援:KDDI株式会社、一般財団法人 タキイ財団
◆ 協力:南丹市教育委員会

◆ 会場:京都府立植物園・植物園会館2階研修室(京都市左京区下鴨半木町)
◆ 日時:2022年8月21日(日)13:00~15:00
◆ 参加費:無料(ただし別途、植物園への入園料が必要です)
◆ 定員:60名
◆ 申込:8月14日(日)17時までに、申込フォームまたは電話でお申し込みください。先着順です。

 ※申し込みフォームから送信頂いたあと、ご登録のメールアドレスへ確認用の自動応答メールが届きます。フォームを送信してから30分が経過してもメールが届かない場合は、迷惑メールフォルダにメールが振り分けられている可能性がありますのでご確認ください。

 ※本講演会は京都府立植物園での現地開催を予定しておりますが、感染症等の状況によってはオンライン開催に変更する可能性もございます。もしオンライン開催が決定した場合には、8月1日(月)までにご登録頂いたアドレスにメールでご通知致します。

◆ 講演時間
‧13:00-13:05 開催挨拶(京都府立植物園園長・戸部 博)
‧13:05-13:25 「芦生研究林の概要と生物多様性モニタリング」(京都大学芦生研究林林長・石原正恵)
‧13:25-13:55 「着生するという生き方」(植物研究家・福本 繁)
‧13:55-14:10 休憩
‧14:10-14:40 「巨樹と着生植物が織りなす樹上の生態系」(神戸大学農学研究科・東 若菜)
‧14:40-14:55 質疑応答
‧14:55-15:00 閉会挨拶(京都府立植物園副園長・肉戸裕行)

◆ 問い合わせ先:京都府立植物園(TEL: 075-701-0141)、京都大学芦生研究林(TEL: 0771-77-0321)

※8月19-28日、京都府立植物園にて絵画・写真展を開催しています。

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京都府立植物園にて絵画・写真展「ASHIU FOREST-芦生の森を未来につなぐために-」が開催されます。

2022年8月19(金)~28日(日)に、京都府立植物園において、
森をみつめるふたりの絵画・写真展「ASHIU FOREST-芦生の森を未来につなぐために-」を開催します。

京都丹波高原国定公園の核心地域である京都大学芦生研究林には、原生的な森林が保全されており、希少な植物の一大生育地となっています。しかし、20年以上にわたってシカ害やナラ枯れの影響を受けたことで、豊かだった植生は衰退し、樹木の更新も滞ってきています。絵画・写真展や講演会を通じて、芦生の天然林の希少性を伝えるとともに、芦生の森を守るための活動事例を紹介し、植物及び環境の保全意識の醸成を図る契機としていきたいと思います。
 ※植物園が休園となった場合、休園期間中の絵画・写真展は中止します。

水彩画家 平田 有加氏 X 植物研究家 福本 繁氏

【日時】2022年8月19日(金)~28日(日) 10:00-16:00

【場所】絵画・写真展:京都府立植物園 植物園会館1階展示室(京都市左京区下鴨半木町)

【植物園入園料】
    一般200円、高校生150円、中学生以下・70歳以上・障がい者の方は証明書提示の上で無料  

【主催】芦生生物相保全プロジェクト(ABC project)
    京都大学フィールド科学教育研究センター
    京都府立植物園

【後援】KDDI株式会社、一般財団法人 タキイ財団

【協力】南丹市教育委員会

期間中に、こちらの公開講演会(8/21)を開催します。

<お問い合わせ>
京都府立植物園   TEL:075-701-0141 FAX:075-701-0142
京都大学芦生研究林 TEL:0771-77-0321 FAX:0771-77-0323

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6/18(土)開催予定 京都大学創立125周年記念アカデミックマルシェへフィールド科学教育研究センターが出展致します。

 6/18(土)に京都ロームシアターで行われます、「京都大学創立125周年記念アカデミックマルシェ」にてフィールド科学教育研究センターが出展致します。
出展内容は『大学の森バーチャルツアー森林VR体験』でとなっており、手つかずの自然が多く残る芦生研究林をVRゴーグルを使った360度動画にて体験いただけます。
 VR動画につきましては、芦生研究林の教職員、KDDI株式会社、舞鶴工業高等専門学校HANDMADE部が共同制作したもので、「シカと芦生研究林」、「もりびと協会ガイドツアー体験」、「芦生の四季」の3本をご用意しております。

 事前申し込み等は不要ですので当日のご参加を心よりお待ちしております。

 また、アカデミックマルシェ会場開催当日でには京都大学の研究室、付属施設及び協賛企業による体験会・販売会も多数開催しております。
詳しくは下記のリンクよりご覧ください。

創立125周年記念 アカデミックマルシェ

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シカの脅威と次世代型森林再生のロードマップ研究集会を開催いたします。

2021年7月29日(木)に、「シカの脅威と
次世代型森林再生のロードマップ研究集会」
をオンラインで開催します。
どなたでもご参加いただけますので振るってご応募下さい。
参加無料、申込締切7月25日)

【日時】2021年7月29日(木) 13:30-18:00

【場所】オンライン開催

【申込】参加を希望される方は、申込フォームで、7月25日(日)までに事前登録をお願いいたします。

【企画者】門脇浩明(白眉センター/農学研究科)、石原正恵(フィールド研)、本庄三恵(生態研センター)

【共催】京都大学生態学研究センター、京都大学フィールド科学教育研究センター

<研究集会の背景>
 1990年代後半より国内外でシカなどの大型有蹄類による植生衰退、そしてそれに起因して生物多様性喪失・生態系改変が生じている。被害が長期化するにつれ、採食圧をなくしても生態系が回復しない事例が報告されるようになってきている。京都大学の芦生研究林においても、シカの過採食により豊かな森が失われてくるのを前に、2006年から防鹿柵を用いた保全と影響評価を行い、2017年以降は保全を加速すべく防鹿柵を増設した。しかし、新しく設置した柵内において植物の回復は順調とは言い難い。さらに柵外では森林崩壊の予兆ともいえる現象が見られる。こうした状況に、申請者らは従来型の保全再生学の限界を感じており、今後さらに脅威を増すシカの問題に立ち向かうためには、生態学のあらゆる最新の知見を総動員し、次世代の再生学に基づく森林再生のロードマップを構築しなければならないと考えている。本研究集会は、芦生研究林の生態系再生へのロードマップ作成に向けた具体的な作業部会の立ち上げを行うための第一歩と位置付け、様々な専門家による視点から議論を行うことを目的とする。

<プログラム> ※講演要旨集(PDF)をご覧いただけます

13:30-13:50 趣旨説明(門脇浩明)
13:50-14:40 基調講演:シカ問題の過去、現在とこれから(梶光一)
14:40-14:50 休憩

パート1:ABCプロジェクトからの話題提供(司会:本庄三恵)
14:50-15:10 シカの過採食を長期間うけた森林生態系の回復にむけて(石原正恵)
15:10-15:30 芦生冷温帯天然林における集水域単位のシカ防護柵の生態系機能保全効果(福島慶太郎)
15:30-15:50 大規模柵による植物群集保全と希少植物の域外保全(阪口翔太)
15:50-16:10 シカによる森林下層衰退の長期広域観測から模索する回復過程(藤木大介)
16:10-16:20 休憩

パート2:次世代再生学に向けた新たなアプローチ(司会:石原正恵)
16:20-16:40 次世代森林再生に向けた数理生態学の役割と可能性(立木佑弥)
16:40-17:00 遺伝子発現解析から見る植物とウイルスの相互作用(本庄三恵)
17:00-17:20 植生動態シミュレーションによるアプローチ(佐藤永)
17:20-18:00 総合討論(ファシリテータ:門脇浩明)

 参加登録はこちらの申込フォームをご利用ください(7月25日(日)締切)。

<お問い合わせ>
門脇浩明 特定准教授(白眉センター/農学研究科)
kadowaki.komei.5x*kyoto-u.ac.jp(*を@に変えてください)

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芦生研究林保全とコロナ禍の学生教育を目的としたKDDIとの連携を発表致しました。

2020年10月22日、フィールド科学教育研究センターは、KDDI株式会社と芦生研究林の保全とVR(仮想現実)を活用した教育について連携することとなり、芦生研究林基金への寄付目録をいただき、フィールド研から感謝状を贈呈しました。また、芦生研究林の概要及びVR教育コンテンツの発表、体験会を開催しました。

 新型コロナウィルス感染症拡大のため、京都大学ではフィールド実習の実施が困難となっています。こうした事態を受け、このたび、VRを活用して森林フィールド実習の疑似体験を可能とする教育コンテンツ作製に関して、フィールド研とKDDI株式会社による連携をすすめることになりました。また近畿地方有数の原生的な自然が残る芦生研究林の保全を目指して、KDDI株式会社の社会貢献活動「+αプロジェクト 」で積み立てられたお金の一部 (50万円) を京都大学芦生研究林基金にご寄付いただくとともに、次年度以降、社員有志によるボランティア活動を計画いただいています。

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「美山×研究 つながる集会」 実施報告

2020年2月21日~22日の2日間、京都丹波高原国定公園ビジターセンターにて「美山×研究 つながる集会」が行われ、芦生研究林は共催団体として参加してきました。
このイベントは美山地域にお住いの方のリアルな意見・思い・問題点と、美山に出入りする様々な分野の研究者の知見とをマッチングさせることを目的として企画されたものです。
 1日目、龍谷大学社会学部の田中滋教授の基調講演から始まり、続いて様々な形で美山に関わる8名の研究者から研究紹介ショートスピーチが行われました。その後は来場された方が自由に8名それぞれの研究者を囲む質問交流タイムとなり、どの輪でも活発に多くの意見が飛び交う時間となっていました。最後に参加者の方に①この会で得られたこと、②地域と研究者が一緒に考えたいこと、を付箋に書いていただきました。
 2日目は、1日目の最後に書いていただいた付箋をまとめて整理したものを貼り出し、この会の大きな目標である「地域と研究者のつながり」に何を期待し、何ができるかについて問題提起、事例紹介、ディスカッションが行われました。
 両日ともにビジターセンター2階のセミナールームはほぼ満員となり、地域と研究者の大きな枠だけでなく、地域同士、研究者同士でも新たなつながりがたくさん生まれていたようで、これからどんな形になって実を結んでいくのか非常に楽しみな集会となりました。
 まずはこれまでに美山町で行われた研究成果一覧を作成し、京都丹波高原国定公園ビジターセンター等とも連携し、HP等で公開する予定です。また告知いたしますので、活用していただければ幸いです。