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学生実習

京都大学「研究林実習Ⅰ」実習報告

 8月28日-9月1日
 上記日程で京都大学農学部の実習である2023年度「研究林実習I」を開催しました。8月28日午後~8月30日午前と、8月30日午後から~9月1日午前までの前半・後半の2グループに分かれての実習でした。前半グループの参加者は16名で、後半グループの参加者は28名でした。
 前半・後半とも実習内容は同じで、実習1日目は林内の標高が低い場所で樹木識別を行いました。
 2日目は林内の標高が高い場所で樹木識別や、林内の大規模防鹿柵の見学等を行いました。
 また、代表的な樹木の腊葉(さくよう)標本作成を通じて、樹木の観察や識別のポイントを学びました。
 標高により自生している樹種に違いがあることや、鹿の影響による林内植生の変化等を、実地にて学ぶことができたと思います。

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学生実習

人間環境大学「奥山・里山管理実習」実習報告

 2023年8月23日~25日

 上記日程で人間環境大学の学生実習「奥山・里山管理実習」が開催され、学生18人が参加しました。この実習では奥山と里山の森林植生の違いや森林で起きている様々な問題を学ぶことを目的としています。

 1日目は上賀茂試験地で、技術職員の解説で里山や斧やチェーンソーによる薪づくりの見学などを通じて、里山の生態系と暮らしについて学びました。
 2日目は芦生研究林の見学と調査体験を行いました。午前中は林内散策や大規模シカ柵を見学しながら奥山の自然林について学びました。午後からはトチノキの調査、きのこの調査、人の営みと歴史の学習の3班に分かれて、それぞれの研究者の解説で芦生の自然や歴史を深く学びました。
 3日目は美山かやぶきの里で里地での暮らしを見学しました。その後、北白川試験地に移動して、技術職員の解説でj.Pod工法による建物の見学などを行ったあと、実習のまとめと意見交換を行いました。

 この実習では奥山と里山を研究・管理する複数の教職員からの解説がありました。これらの話から、森林の特徴に加えて、それぞれの場所で働く人と森の関りを学んでいただけたら幸いです。

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学生実習

京都大学「ILASセミナー:有人宇宙学実習」実習報告

 2023年8月20日-21日

 有人宇宙学実習が行われ、合計9名の学生が参加しました。この実習は地球上の多様な環境について知り、人類が地球外惑星や宇宙空間で生活するために必要な環境について学ぶことを目的としています。
 
 芦生研究林では、森林環境について学び、森林生態系の維持について必要なことを理解するため、講義および野外実習が行われました。

 1日目に枡上谷にある環境省モニタリングサイト1000の調査プロットへ行き、そこで行われている調査の説明を受けた後に、毎木調査を体験しました。その日の夜は、枡上谷の毎木調査データを使って、炭素蓄積量の推定を行いました。

 2日目は集水域全体を防鹿柵で囲った試験地を見学し、シカの過採食に起因する森林生態系の機能や生物相の変化について学びました。例えば、芦生研究林ではシカの過採食が生じるようになって、不嗜好性植物のバイケイソウが増えました。その後、その植食者であるバイケイソウハバチが増えました。こうした見学を通じ、変動、回復力、レジリエンス、代替安定状態など生態系の特性を学びました。
 
 最後に、土井隆雄先生(宇宙飛行士)が「巨大な生命体」と称した大カツラを見学しました。

 学生たちは、森林生態系の巨大な構造や複雑性や生態系としての特性を学び、そうした環境を人工的に作り出すことができるかを議論しました。

 土井先生は人類の進化のなかで宇宙進出を位置づける有人宇宙学を語られ、芦生研究林の教職員も壮大なスケールの視点に学ばせていただきました。

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イベント フィールド 学生実習

京都光華女子大学「京都大学芦生研究林サイエンスツアー2023」実習報告

2023年8月12日

 上記日程で京都光華女子大学が主催する「京都大学芦生研究林サイエンスツアー2023」が開催され、女子中高校生4名と保護者4名が参加しました。このプログラムは芦生研究林でのフィールドワークを通じて生物多様性や生態系について学び、女子中高校生が将来、理系進路を選択するのを支援することを目的としています。

 参加者は長治谷から上谷を歩き、大規模シカ柵の見学しながら、坂野上講師の解説で芦生の自然とかつて行われていた人の営みと歴史について学びました。この日の芦生での体験が将来進路を決めるのに役に立ったなら、うれしく思います。

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学生実習

公開実習「森里海連環学Ⅰ」実習報告

 2023年8月7日~8月11日

 上記日程で2023年度森里海連環学実習Iを開催し、京都大学から5名、他大学から6名の学生が参加しました。この実習はフィールド研が開催している公開実習の一つで、京都大学に所属する大学生のみならず、他大学の大学生も参加することができます。
 この実習では芦生研究林内から若狭湾にそそぐ「由良川」を調査フィールドに設定しています。実習の目的は、水生生物の調査や水質分析を通じ、森から海までの流域を複合したひとつの生態系として捉える視点を育成する事です。

 1日目はまず、研究林内にて森林と大規模調査区の解説、河川源流域(由良川支流)での生物観察などを行いました。解説等を行った後、事務所付近(由良川上流部)に移動し、魚類・水生昆虫・プランクトン・河川水のサンプリングと水質調査を行いました。その後、由良川の中流域方向へ移動し、2地点で同様の調査を行いました。
 この日は3地点で調査を行った後、フィールド科学教育研究センターの施設である舞鶴水産実験所に移動しました。

 2日目は由良川中流域から若狭湾まで、初日と同様の調査を4地点で行いました。2日間で森から海までの7地点で調査を行いました。

 3日目は採取した水生昆虫と魚類の観察と同定を行い、採取地点ごとに魚類や水生昆虫の同定と計測を行いました。
 また、芦生研究林の技術職員2名が実習3日目まで、実習補助と実習中の安全確保を目的として同行していました。

 4日目、5日目は上記の通り、芦生研究林の職員は同行していませんが、4日目は実習で得たデータの整理と発表に向けてのまとめを行い、5日目に実習成果の発表を行いました。

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学生実習

京都大学「サービスラーニングA」実習報告

 2023年8月1日~8月3日

 上記日程で京都大学大学院総合生存学館の実習「サービスラーニングA」が行われ、学生4名が参加しました。またこの実習には南アフリカと中国からの留学生が2名おり、講義・解説はすべて英語で行われました。この実習は「実地体験を通して地域や社会の問題を知り、リーダーとしての俯瞰力、行動力、コミュニケーション能力を身につけること」を目的として行われています。

 1日目はまず、芦生研究林に関する講義を研究林で行いました。その後、美山かやぶきの里とかやぶき民俗資料館の見学を行いました。地元の茅葺きガイドと資料館館長にお願いして解説をしていただきました。

 2日目は大規模防鹿柵と原生的な森林を見学しました。そのあとに大カツラを見学しました。

 3日目は芦生わさび組合の方と山口大学の内田恭彦教授ともに、新設するわさび圃場の整備を行いました。芦生研究林と内田教授は、芦生わさび組合の葉わさびの醤油漬けの高付加価値化を通じた中山間地域の振興に協力しています。

 芦生研究林ならではのプログラムが多く、学生にとって非常に良い学びになったようで何よりです。

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学生実習

大阪産業大学「生物資源活用演習」実習報告 

6月24日に大阪産業大学の実習が行われ、6名の学生が芦生研究林を訪れました。

最初に資料館を見学しました。展示されている、トチノキの絵を見ながら、芦生での栃の実の取り扱いや地域での利用について解説を行いました。林内では主にシカ柵の見学を行い、シカの食害や防鹿柵に有無よる植生の回復の違いなど、芦生のシカ害とその歴史について技術職員が中心に解説を行いました。

この実習を通して、芦生研究林に興味を持って頂き卒業研究などの調査地などに利用して頂けたら幸いです。

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京都府立林業大学校「森林科学Ⅰ」実習報告

 6月28日に京都府立林業大学校の「森林科学Ⅰ」実習が行われ、11名の学生が芦生研究林に訪れました。石原林長が事前に京都府立林業大学校で、森林科学Ⅰの講師として森林生態学に関する講義を行っています。この実習の目的は、座学で学んだことを実際に芦生の森で見学することにより、さらに学びを深めるものでした。

 当日はまず、京都府立林業大学校の卒業生である研究林の技術職員(宮城、永井)が、京都府立林業大学校入学前後のキャリアについて話をしました。そのあと技術職員の職務内容や、学校での学びと職務の繋がりなどについて解説を行いました。
 次に石原林長と技術職員の解説を聞きながら、上谷を杉尾峠から長治谷に向けて歩きました。道中では学生から「人工林と原生的な森林の違いは何なのか」、「自然生態系の管理とはどのようなことなのか」といった多くの質問がありました。現場で森林に関わっていくキャリアを考えておられる方が多かったため、とても的を射た良い質問ばかりでした。学生は林業や森林管理だけでなく、自然生態系やシカによる食害など、積極的に林内見
学をしていました。雨の予報でしたが長治谷までは雨に降られることなく、上谷歩きを終えることができました。しかし実習最後に立ち寄った大カツラでは大雨に見舞われ、車内からの見学となりました。下山後に斧蛇館で研究林の資料を見学しました。
 
 京都府立林業大学校卒業生である筆者の経験では、京都府立林業大学校の実習では人工林の見学が多く、芦生の森のような自然度の高い山に行く機会は多くありません。今後、森林について学びを深め、また色々な山を見学していく中で、この日の経験を思い出していただき、よりよい森林と人間との関係を実践的に作っていく人材に成長していただければと思います。

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東邦大学の学生実習「野外生態学実習Ⅱ」 実習報告

2023年5月22-26日 東邦大学の学生実習「野外生態学実習Ⅱ」が行われ、16名の学生が参加しました。
森林軌道沿いや構内で爬虫類・両生類・昆虫等を対象とした観察と生態学的調査方法の体験が行われました。24日には上谷を中心に植生や生物相の観察し、さらに植生保護柵を見学し、シカの過採食が生態系や生物多様性に与える影響について学び、帰り道に大カツラを見学しました。

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森里海連環学実習III :暖地性積雪地域における冬の自然環境 実習報告

2022年度の森里海連環学実習Ⅲが2月20日から2月22日の日程で、芦生研究林において行われました。参加した学生は京都大学農学部、経済学部、法学部、総合人間学部、工学部の1〜4回生13名でした。芦生研究林内や美山町内の施設の見学、地域の方のお話を伺うことで、積雪地域の森林の様子や人の生活を学びました。

実習初日は道の駅の見学や多雪地域での生活の様子を見学しました。
午前は道の駅ウッディー京北、道の駅美山ふれあい広場、京都丹波高原国定公園ビジターセンター(以下、ビジターセンター)の見学を行いました。各施設では外装・内装の見学や、特産品の見学を行いました。
午後は午前の簡単なまとめをビジターセンターで行ったあと、美山かやぶきの里の見学を行いました。見学後芦生に移動し、多雪地域で家屋などへの雪害軽減のために行われる「雪囲い」の解説を、地元の方に行っていただきました。あらがわない、自然とともに生きていくという考え方に触れ、忙しなく人工環境を維持しようとする都会の考え方との大きな違いを感じた学生もいました。
芦生研究林に到着後はスノーシューの足慣らしを行いました。その後、夕食を自炊しました(きのこと、地元美山町産の鹿肉とお米を使ったカレー)。とても美味しかったと学生さんに好評でした。
夕食後、芦生研究林内の過去約100年間の積雪データを解析する演習が行われ、地域の方からうかがった雪が減ってきているというお話と、データの対比を行いました。

実習2日目は積雪断面調査と冬季の森林散策を行いました。
実習1日目から2日目間の一晩で20~30cmほどの積雪があったため、午前は積雪断面調査前に簡単な除雪作業と、資料館見学を行いました。除雪・見学後に宿泊所前で3班にわかれて積雪断面調査を行いました。
午後はスノーシューを履き、林道を歩きながら樹木の冬芽の観察など、3時間ほどフィールドワークを行いました。雪質の違い、樹木がどのように厳しい冬に順応・適応進化してきたを学びました。
この日は夕食後に「トチノキの伝統的利用と地域資源としての活用」というテーマで講義が行われました。

実習3日目は栃へし作業と、ビジターセンターでグループディスカッションを行いました。
午前は宿泊所で栃へし(栃の実の皮を剥く作業)を行いました。芦生研究林は地域住民・団体と、栃の実プロジェクトを進めています。このプロジェクトではトチノキの保全、栃の実の地域づくりへの活用、教育を一体的に協働してすすめようとしています。その一環で、栃へしを学生さんにも体験してもらい、伝統知やこうした超学際研究プロジェクトを学んでもらうため、実施しました。地域団体の方から、作業の手順や専用の道具の使い方、そして栃を利用する文化を守りたいという思いを話していただきました。またこの日の昼食に栃餅をいただきました。栃餅ができあがるまでに栃へしを含めとても手間がかかっており、あく抜きのための灰の入手など人が森とともに暮らしてきた生活があってこそ成り立ってきたことに気づき、栃餅の価値を初めて知り、もっと都市住民にも知ってもらいたいという意見や、かつては各家庭で行われていた栃へしが、現在は共同作業として行われており、そこに住民間の交流が生まれ、機械化することの是非について考えを深めた学生もいました。
午後はビジターセンターに移動し、ビジターセンター運営協議会の事務局長の吉永さんに「京都丹波高原国定公園ビジターセンターの特色」というテーマで、センターの活動や特色に関する講義をしていただきました。そのあと、自然と人をつなぎ、地域経済にも貢献することを目的にビジターセンターで扱う商品の開発をテーマにグループディスカッションを行いました。グループディスカッション後は京都への帰路につき、レポート課題として提案をまとめることになっています。

今回の実習を通して、たくさんの地域の方によるご支援・ご協力を賜り、より芦生らしい実習を行うことができました。研究林教職員だけではなく地域の方とも交流を行うことで、冬山でのフィールドワークのみならず、積雪地に対応した地域生活や文化といった幅広い知見を学生達は得ることができました。また地域の方々の生の声を聞き、様々な価値観や生き方に触れ、他では得がたい学びとなったと思います。今回は食材や弁当の調達もできるだけ地域で行うように工夫しました。今後も地産地消や地域経済を考慮した実習に取り組んでいきたいと考えています。