佐藤真行

参考情報(2012-05-31 までの情報です)

*2012年5月31日に辞職されました。(学際融合教育研究推進センター グローバル生存学大学院連携ユニットに異動されました。)

佐藤真行特任准教授 プロフィール

 佐藤 真行

 フィールド科学教育研究センター
 企画研究推進部門 森里海連環学分野 特定准教授

1.研究分野:環境経済学
  人間の経済行動と環境問題の関連に関心をもち、学生時代は経済学部で環境経済学を修めました。自然破壊を始めとする環境問題の多くは、人間の経済行動や経済発展に起因することが多いです。とはいえ、経済発展それ自体は人間社会にとって悪いことではありません。特に貧困の解消は、経済学が取り組むべき重要な課題のひとつです。悪いのは、自然環境をまったく考慮しない点にあります。経済発展と自然環境の健全なる両立には、少なくとも、経済的意思決定において自然環境や生態系サービスの価値を考慮する必要があります。こうしたことから、学生時代の研究テーマとして、環境の経済評価と経済主体の行動について考えてきました。大学院を修了してからは、地球環境学堂に移り、2008年9月まで京都サステイナビリティ・イニシアティブ(KSI)で持続可能性について考えました。環境破壊型の経済発展は遠からず破綻する、ならばどのような発展型が持続可能なのか。難問ですが、人工資本だけでなく、自然資本(資源や生態系サービス)、人的資本、知識資本、といった人間福祉(Human Well-being)の源泉たる諸資本を統合的に管理していくことが求められます。
  本講座は、海域の自然資本と陸域の自然資本を統合的に管理することを目指します。「管理」には、社会経済的な影響もふまえなければならないため、海域陸域統合管理には自然科学的視点だけでなく社会科学的視点の統合も必要です。統合的管理によって、人間にとっても、自然にとっても、持続可能でよい状態を作り出せればと思います。

(1) 環境の経済評価
  自然環境や生態系サービスなど、市場で取引されないもの、市場価格をもたないものについては、意識的に評価し、価値付け、経済主体の意思決定に反映させていかないと市場はうまく機能せずに失敗します。環境経済学における環境評価論分野では、こうした環境や生態系サービスなどの価値について定式化し、経済的に評価できる部分を定量化し、経済的意思決定に役立てます。
  主なテーマ:
    i)    自然資本のシャドウ・プライスの推定
    ii)   公共政策プロジェクトの費用便益分析
    iii)  不確実性下での評価と予防的アプローチ

(2) 選択行動の分析
  人間の経済的価値評価は選択行動に現れます。AもBも選べるのにAを選んだということは、その人はAのほうをBよりも高く評価したことを意味します。経済学的評価では、こうした個人の選択行動の合理性を前提とします。しかしながら、この前提は常に妥当でしょうか。選択行動の不安定性と非合理性について、特に情報処理の観点から研究しています。
  主なテーマ:
    i)    情報過負荷現象の分析
    ii)   環境評価における認知心理的影響の分析
    iii)  環境問題下の消費行動の分析

(3) 持続可能な発展
  これまでの経済発展は、もっぱら国内総生産(GDP)に代表される経済指標に着目し、GDPの増加が目指されてきました。経済成長とはGDPが増加することを言います。しかし、GDP成長の裏面では深刻な環境破壊や世代内ならびに世代間の不平等問題が生じています。このようなGDP発展は持続可能でもないし、望ましいものでもありません。それではGDPに代わってどのような指標に着目すればよいのか。いろいろな指標が提案されていますが、手始めの研究として、ジェニュイン・セイビング(Genuine Saving)と呼ばれる指標を分析しています。
  主なテーマ:
    i)    GS成長の計量経済分析
    ii)   成長経路の安定性に関する経済モデル分析
    iii)  環境評価手法の援用による富推定精度の改善

2.好きなもの、趣味
  自由時間は気まぐれに不特定のいろいろなことをして過ごしていますが、深刻な運動不足に危機感をもって、最近テニスを再開しました。私には、高校時代では庭球部の主将を務めるほどマジメに練習した過去があるのですが、現在の技術と体力の衰えはその影を微塵も感じさせないほどです。ヘタの横好きですが、なるべく練習して、技術と体力の向上に努めます。

3.その他
  研究室は旧演習林事務室にありますが、寒いです。私の研究や海域陸域統合管理プロジェクトに興味のある方はぜひ研究室に、暖かい格好でお越しください。