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イベント お知らせ

(終了しました/Completed.)公開講演会「芦生の森の昆虫たち 今昔物語」

 令和6(2024)年8月24日13時から公開講演会「芦生の森の昆虫たち 今昔物語」を歴彩館にて開催致します。

◆ 開催趣旨:芦生の森は「植物ヲ學ブモノハ一度ハ京大ノ芦生演習林ヲ見ルベシ」と称されるほど豊かな植物相が残る貴重な森です。植物は多くの昆虫と密接・多様な関係をもっており、芦生の森は昆虫相の面でも多様性が高く、希少種も多く生息しています。

 本講演会では、まず、芦生の森で長年、昆虫相を含め生物相の研究をされてこられた渡辺弘之京都大学名誉教授にご講演いただきます。次に、共生・寄生関係など生物間の関係を多方面から研究され、シカによる食害が深刻化するなかで芦生の昆虫相の変化をいち早く捉えてこられた加藤真京都大学名誉教授にご講演いただきます。最後に、現在のシカの食害に直面する芦生の森で、植生保護柵の内外で昆虫相を研究している若手研究者の和泉翔太さんに研究を紹介いただきます。

 昆虫相と研究者相の両面の今昔をご紹介します。「奥山で起きている環境変化を学びたい」「生物多様性保全を考えたい」という方におすすめの講演会です。会場には昆虫標本や研究を分かりやすく説明したパネルの展示もあります。ご家族そろってのご参加をお待ちしています。

◆ 主催:京都府(自然環境保全課・京都府立植物園)
    芦生生物相保全プロジェクト (http://www.forestbiology.kais.kyoto-u.ac.jp/abc/)
    京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林
◆ 後援:きょうと生物多様性センター運営協議会、一般財団法人 タキイ財団

◆ 会場:京都府立京都学・歴彩館 大ホール
    https://rekisaikan.jp/

◆ 日時:令和6年8月24日(土)13:00-16:00
◆ 参加費:無料
◆ 定員:400名(本フォームによる申込先着順です.)

 本講演会につきましては、事前参加申し込み制とさせて頂いております。参加を希望される方は、以下のフォームに情報をご入力・送信して頂きますようお願いします。お連れ様がおられる場合も、
1名ずつフォームにご入力ください。
https://forms.gle/979YnRRhscZCVBLNA

※申し込みフォームをご送信頂いたあと、ご登録のメールアドレスへ確認用の自動応答メールが届きます。もしフォーム送信後、30分が経過してもメールが届かない場合は、迷惑メールフォルダにメールが振り分けられている可能性がありますのでご確認ください。


◆ 講演情報
司会:阪口翔太(京都大学人間環境学研究科助教)
13:00 開会   阪口翔太(京都大学人間環境学研究科助教)
13:05 挨拶 戸部博(京都府立植物園園長)
13:15 生物多様性からみた芦生の昆虫相   渡辺弘之(京都大学名誉教授)
14:05 休憩
14:20 シカの過採食による昆虫相への影響  加藤真(京都大学名誉教授)
15:10 シカの食害からの植生回復は、チョウ・トンボの多様性を高めるか?  和泉翔太(龍谷大学修士課程2年)
15:40 芦生研究林でのシカによる生物多様性劣化と保全・研究   石原正恵(京都大学芦生研究林林長)
15:50 全体質疑応答
15:55 閉会挨拶  後藤幸宏(京都府自然環境保全課課長)
16:00 終了

◆ 申し込み期限:8月22日 17時00分

◆ 問い合わせ先:京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林(TEL: 0771-77-0321)

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イベント

斧蛇館のリニューアルオープン記念式典の開催

 2024年6月25日に芦生研究林資料館「斧蛇館」のリニューアルオープン記念式典が開催されました。フィールド研の関係教職員、関連団体、地域の方など55名と芦生研究林スタッフ12名の、計67名の方がお集まりくださり、式典と、続いて展示物の解説・見学会が行われました。

 式典では、舘野隆之輔フィールド研センター長の挨拶に続き、京都府自然環境保全化の後藤幸宏課長、一般社団法人芦生もりびと協会の鹿取悦子代表理事、南他八ヶ字財産区管理会の今井崇委員長よりご祝辞を賜りました。また、KDDI株式会社より祝電を頂きました。その後、展示設計や展示物、造作の作成を行っていただいたTAO舎の大滝あやさん、画家の平田有加さん、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の吉田謙一さん、sola woodworksの鈴木直彦さんから、リニューアルや展示物についての想いや実際に作業を行なって苦労した点などをお話しいただきました。皆様のお話から、芦生研究林が大学の教育研究施設というだけではなく、多様な人が集い、新しい価値を生み出す場としての挑戦を期待されていることを改めて感じました。

 見学会では、資料館に移動し、展示物を前にしながら、画家の平田さんによる絵巻の解説や、フィールド研の教員による展示パネル等の解説が行われました。参加者からは、「展示物に込められた想いや制作の裏話を聞くことで、展示物やそのメッセージに対する見方が変わった」などの意見をいただきました。また、参加者の皆さんが展示物を前にして、過去の、現在の、そしてこれからの芦生についてお話をしている様子が、とても印象的でした。

 リニューアルをきっかけとして、現在の芦生の森を見るだけでは気付きにくい、自然の仕組みや森と人の関わりを想像してもらえたら、そして芦生研究林が多様な人が集い・学ぶ場となってくれたら嬉しいです。

 最後になりましたが、芦生研究林基金にご寄付頂いた皆様、リニューアルに関わっていただきました皆様に厚く御礼申し上げます。

斧蛇館は平日の9時から16時に開館しており、開館中はどなたでも自由にご覧いただけます。(休館日は、土日祝日、年末年始、京都大学の一斉休業日です。)

***斧蛇館について***

 斧蛇館は、学生や研究者、さらに一般の皆様に、大学の活動や芦生の森を知っていただくため、1992年に資料館として開館しました。2020年、芦生研究林基金へのご寄付によりリニューアルを行うことが決まりました。リニューアルにおいては、森に入るだけでは得られない自然の仕組みや人との関わりを紐解く場を目指して、大学関係者や研究者だけではなく地元の方やツアーガイドをはじめ、芦生研究林に関わる様々な方にご意見を頂くことで共創を試みました。約4年間の構想・企画・製作を経て、2024年6月にリニューアルオープンしました。展示は、芦生研究林で行われてきている様々な研究成果や取り組み、芦生研究林の歴史を紹介するパネルや、芦生の生き物の剥製や関連書籍を展示したジオラマやコレクションラックを作りました。さらに入り口には、シカ食害が目立たなかった植生が豊かであった芦生の姿を幅約9メートルという大スケールで描いた四季絵巻(平田有加さん作)のレプリカを展示しました。自然科学、歴史、芸術など多様な視点の融合によって、理性と感性の両面から楽しみ、学べる資料館を目指しました。

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学生実習

大阪産業大学「生物資源活用演習」実習報告

 6月29日に大阪産業大学の実習が行われ、10名の学生が芦生研究林を訪れました。 林内では植生回復のための防鹿柵、大カツラの見学を行いました。学生たちはニホンジカの食害や柵による植生の回復、ツキノワグマがスギの樹皮を剥いだクマ剥ぎなどを見学し、技術職員や赤石大輔准教授(大阪産業大学)から解説を受けました。学生たちはカメ、昆虫などを見つけて写真を撮ったり、触れてみたり、興味津津でした。
 下山後にはリニューアルオープンした資料館の見学を行いました。資料館の剥製や昆虫標本などを熱心に見学されていました。

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お知らせ

(終了しました/Completed.)公開森林実習I「近畿地方の奥山・里山の森林とその特徴」 受講者募集のお知らせ

現在、公開森林実習I「近畿地方の奥山・里山の森林とその特徴」の受講者を募集しております。

参加を希望される場合はこちらをご覧の上、

特別聴講学生として受講する場合は 6/14(金)

特別聴講学生とならずに受講する場合は 7/12(金) までに必要書類をご提出ください。

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お知らせ

(解除しました/lifted)一般入林禁止のお知らせ/Prohibition of entering the forest

2024年8月6日に入林制限を解除しました。
The restriction on entry into the forest was lifted on August 6, 2024.

ツキノワグマの生息範囲ですので、引き続きクマ鈴の携行や単独行動を避けて入林をお願いいたします。早朝及び夕方の入林はお控えください。Since the area is inhabited by black bears, we ask that you continue to carry bear bells and avoid entering the forest alone. Please do not enter the forest early in the morning or in the evening.

また灰野方面(軌道)においては、橋等の踏み板の劣化による踏み抜きの可能性がありますのでご通行の際はご注意ください。

6月23日から連日、芦生研究林事務所付近や構内にて、ツキノワグマが頻繁に目撃されています。

6月23日の昼間に由良川橋(トロッコ軌道の橋)周辺にて、親子のツキノワグマが目撃されました。
芦生研究林の構内においても、6月24日19:30頃、6月25日10:30頃にコグマが目撃されております。

夜間に限らず、昼間にも構内で目撃されており、親子であることから、従来以上に危険性が高い状況です。

上記の理由から、状況が改善されるまでブナノキ峠方面、トロッコ軌道方面への一般入林を禁止します。
皆様の命に関わることですので、ご理解とご協力をお願いいたします。

※7月14日(日)の日中に、研究林事務所付近で再度親熊の目撃がありました。現在も入林禁止措置を継続しています(7月16日追記)。

Since June 23, Asian black bears have been frequently seen near the Ashiu Research Forest Office and on the premises every day.

A mother and child black bear were seen around the Yuragawa bridge (bridge of the trolley track) during the daytime on June 23.
Child bears were also spotted on the Ashiu Research Forest premises at around 7:30 p.m. on June 24 and 10:30 a.m. on June 25.

Not only at night, but also during the daytime, they have been sighted on the premises, and since they are a parent and cub, the situation is more dangerous than before.

For the above reasons, we prohibit public access to the Bunanoki Pass and the trolley tracks until the situation improves.
We ask for your understanding and cooperation for your safety.

During the day on Sunday, July 14, a parent bear was seen again near the Ashiu Forest Research Station office. The prohibition of entry to the forest is still in effect (added July 16).

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学生実習

京都府立林業大学校「森林科学Ⅰ」実習報告

 6月10日に京都府立林業大学校の実習が行われ、12名の学生が参加しました。「森林科学Ⅰ」という科目の一環で行われた実習です。京都府立林業大学校は、2012年に設立された西日本初の林業大学校です。詳細につきましては京都府HPよりご確認下さい。

 当日は杉尾峠から長治谷までの上谷エリアを歩きつつ技術職員の宮城(京林大卒業生)が解説を行い、その後 大カツラの見学を行いました。

 事前に石原林長が京林大で気候と植物の分布・遷移・森林生態系と生物多様性等について講義を行っており、座学での学びを実際に山に入り観察することで、より学習を深化させる狙いがあります。

 杉尾峠までの道中では暖温帯から冷温帯への植生の変化や林道の整備等についての解説を行いました。

 上谷エリアでは芦生の山を特徴づけるアシウスギ・ブナ・トチノキの解説、獣害による被害状況の解説、人と森の関りなど幅広い解説を行いました。解説に対してメモを取る学生もおり、非常に熱心な様子が伝わってきました。
 大カツラでは今まで目にしたことのないような巨木を前に歓声が上がりました。約100年前に撮られた写真とほぼ同じ姿で、現在の場所に立ち続けているその様子に感動していた学生もいました。

 下山後には特別に資料館の見学も行いました。オープン前のため一部資料の解説がない状態でしたが、学生さんは全ての展示物に興味をもって見学されていました。

 実習全体を通して、林道の整備や重機操縦、特用林産物についてなど、技術職員ならではの解説もあり、よかったとご意見いただきました。

 京林大の実習では人工林の見学が非常に多く、芦生の山のような原生的な森に入ることは少ないです。芦生の原生的な自然やそこでの保全・教育・研究活動を学んでいただき、卒業後には生態系の在り方などについても考えられる、広い視野を持った森林・林業技術者になって活躍されることを期待します。

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学生実習

東邦大学「野外生態学実習」実習報告

 2024年5月27-31日 東邦大学の学生実習「野外生態学実習Ⅱ」が行われ、20名の学生が参加しました。
 
 29日には上谷で植生や生物相を見学しました。参加した学生は普段見ることができない冷温帯林の構成樹種であるミズナラやブナの解説を興味深く聞いていました。また、上谷の支流で水生生物の観察を行いました。
全員で一生懸命に石の下を探し、サンショウウオの幼生や水生昆虫を見つけました。
 
 他の日程は森林軌道で爬虫類、両生類の観察を行いました。学生達は興味のある植物や動物を見つけると写真を撮影し、同定していました。

 芦生研究林での経験や生物観察から、大学に帰った後も学びを深めてもらえたらと思います。

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安全情報

(終了しました/Completed.)銃器の使用による入林制限のお知らせ

近年、芦生研究林の貴重な植生がニホンジカの食害によって著しく衰退しています。
芦生研究林の貴重な植生を維持することを目的に、下記日程で銃器による捕獲を行います。
つきましては入林者の安全を確保するため、下記のとおり終日入林を禁止します。

実施日:令和6年4月26日(金)にて終了しました。ご協力ありがとうございました。

実施日は終日銃器捕獲を行いますので、大変危険です。
下記日程におきまして間に関係なく絶対に研究林内へ立ち入らないで下さい。

In recent years, the valuable vegetation in the Ashiu Research Forest has been severely degraded due to feeding damage by Japanese deer.
In order to maintain the valuable vegetation in the Ashiu Research Forest, firearms will be used to capture the deer during the following period.

To ensure the safety of the forest visitors, the following restrictions will apply.

Date of enforcement: Friday, April 26, 2024 Completed. Thank you for your cooperation.

The firearms trapping will be conducted all day long on the following days, and is extremely dangerous.
Please do not enter the forest on the following days regardless of the time.

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イベント お知らせ

(終了しました)第4回 美山×研究つながる集会開催のお知らせ

開催終了しました。たくさんのご参加ありがとうございました。

第4回 美山×研究つながる集会
「地域を元気にするタネをみつける〜人口減少社会における担い手不足と向き合う〜」を2024年3月3日(日)に京都丹波高原国定公園ビジターセンターにて開催します。詳細は以下の通りです。またチラシはページ下部にてダウンロードできます。

日時:2024年3月3日(日)13:00〜16:00
場所:京都丹波高原国定公園ビジターセンター
形式:ハイブリット(会場+オンライン)
主催:「森里連環学に基づく豊かな森と里の再生」研究会、京都丹波高原国定公園ビジターセンター運営協議会
協力:京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林

目的:定住者支援・観光にもとづく地域振興などを先進的にすすめてきた美山町。しかし、コロナ禍を経て、過疎・高齢化が引き続き進行し、農業・教育・福祉・社会サービスなどの多方面で変化が生じ、担い手不足が深刻化しています。
 美山×研究つながる集会は、研究者と美山町の関係者、美山町関係者同士、そして研究者同士が交流し、そこから地域の課題を解決する協働の取組が発展することを趣旨として、2020年から開催してきました。
 第4回目は、人口減少・担い手不足に直面するコミュニティでは何が起こり、それをどのように捉えたらいいのか、をテーマとして設定し、課題共有、課題解決にむけた取組の紹介、協働促進を目的とします。
 人口減少社会における地域振興コンサルティングを各地で手掛けてきた嶋田俊平さんから話題提供をいただきます。そして美山町内での取組を展開している団体に取組事例を介いただき、議論をします。




 人口減少・担い手不足に直面するコミュニティでは何がおこり、それをどのように捉えたらいいのか。
 人口減少をどこまで食い止められるのか?関係人口が増えれば課題は解決されるのか?不可避だとすれば、どのようなコミュニティを構築すべきなのか?成否を分けるポイントは何なのか?我々は何をどのように目指すべきなのか?こうした問いをみんなで考え、共有する時間を目指します。
 加えて、コロナ禍で疎遠になった研究者と地域のつながりの促進や、地域振興を目指す新たな取組の共有も目指します。


石原 正恵 芦生研究林 林長

参加対象者:美山町住民、美山町の団体にご所属の方、美山町で研究している(研究しようと考えている)研究者・学生

プログラム
司会:赤石大輔(大阪産業大学)
13:00-13:05   開会挨拶  
13:05-13:10   企画説明  石原(西岡)正恵(京都大学芦生研究林 林長)
13:10-14:10(60分)   「ふるさとの夢をかたちに〜地域に価値を生み出す持続可能な事業モデル」嶋田 俊平氏(株式会社 さとゆめ 代表取締役・オンライン講演)





 「すべての人がふるさとに誇りを持ち、ふるさとの力になれる社会」を目標に、地域の戦略策定や計画づくりだけにとどまらず、その先にあるマーケティング戦略や商品開発、販路開拓、そして施設運営、組織経営まで、一気通貫で支援する「伴走型コンサルティング」会社「さとゆめ」を創立。
 日本各地40か所以上の地域に関わる。著書に「700人の村がひとつのホテルに 「地方創生」ビジネス革命」(2022年)。

株式会社 さとゆめ 代表取締役 嶋田 俊平 氏

休憩
14:20-14:35(15分)  「美山町の振興会の取組紹介」下伊豆 仁史氏(美山町地域振興連絡協議会会長)
14:35-14:50(15分)  「知井振興会の課題」河野 賢司氏(知井振興会事務局長)
14:50-15:10(20分)  「美山まちづくり委員会の取組」大野 光博氏(美山まちづくり委員会委員長)
15:10-15:50   意見交換
15:50 閉会挨拶 徳地直子(京都大学フィールド科学教育研究センター・教授) 

申し込み方法
1)会場参加:事前申し込み不要
2)オンライン参加:申込フォーム(Googleform)から申し込んでください。

申し込みフォームはこちら→https://forms.gle/y92PUFFHmx4tLC1s9 2月29日締切

2024年3月1日にご登録いただいたメールアドレス宛にZoomのURL・参加方法等をご連絡いたします

過去に行った美山×研究つながる集会については以下をご覧ください。
第1回:2020年2月21、22日 「どうしたらいい?地域と研究者のしあわせな出会い」
第2回:2021年2月21日 「つながることから始める・始まる!」(オンライン開催)
第3回:2023年2月28日 「大学と地域をつなぐッ!」(ハイブリット開催)

なお、2022年は新型コロナウイルス感染拡大予防のため開催を中止しました。

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お知らせ

「大学の森」が見た森と里の再生学-京都芦生・美山での挑戦

 2024年1月22日に、『「大学の森」が見た森と里の再生学-京都芦生・美山での挑戦』が京都大学学術出版会から出版されました。



『「大学の森」が見た森と里の再生学-京都芦生・美山での挑戦』
石原 正恵・赤石 大輔・徳地 直子 編

A5並製・420頁
ISBN: 9784814005048
発行年月: 2024/01
本体: 3,600円(+税)

【内容】
祖先が私たちにつないでくれた、この豊かな森と里。
これらを私たちのあとに生まれてくるすべての人につないでいきたい。(本書より)

 シカの食害・地球温暖化により変わる森、過疎・高齢化に直面する里。日本各地が直面するこれらの課題は互いにつながっている。だから、学問の垣根を越えて、研究者と社会の垣根を越えて、一緒に考え行動しよう。こうした視点に基づき、100年続く大学の森である芦生研究林と地元美山町を舞台に、理系から文系までの研究者が、地域住民・行政・企業などと、森と里の共再生を目指し本気の超学際研究に取り組んだ。

 本書では、研究成果の紹介だけでなく、「言うは易く行うは難し」の超学際研究の始まりから展開の裏側を描く。多様な価値観と立場が交錯する中での協働のコツや苦労、研究者の変化、継続のヒントまで。

 「本書を読んだ方が,「こいつら,あほやなぁ.自分たちにもこれくらいできるわ」と思ってくださり,豊かな森と里の再生にむけて,楽しくみんなで学び合いながら手を取り合っていけたら,編者らとしては本望である.」(本書より)

【目次】
はじめに [徳地直子]
序 章 芦生の森から生まれるつながり [徳地直子]
第1章 大学・市民・植物園の連携で希少植物を守る [阪口翔太]
 コラム 芦生研究林におけるナラ枯れ [山崎理正]
第2章 回復力を失った森林生態系の再生にむけて[石原正恵]
第3章 トチノキの利用と保全の両立を目指して [坂野上なお・石原正恵]
第4章 ツアーガイドと行う地域の生物多様性調査 [赤石大輔]
 コラム ガイドのニーズと研究者のニーズ [赤石大輔]
 コラム 美山町のエコツーリズム [赤石大輔]
第5章 地域資源ブランドによる農産加工品の高付加価値化 [内田恭彦]
 コラム 芦生地域の産業の変化 [内田恭彦]
 コラム 中山間農業地域の現状 [内田恭彦]
第6章 地域が目指すツーリズムの姿を探る [清水夏樹]
第7章 地域との協働を育むプラットフォームづくり [福島誠子・赤石大輔]
 コラム 山の健康診断 [赤石大輔]
 コラム 屋久島学ソサエティ  [福島誠子・赤石大輔]
 コラム 協働のプラットフォームづくりの背景 [福島誠子・赤石大輔]
終 章 豊かな森と里の再生に向けて [徳地直子・赤石大輔・石原正恵]
 コラム 地域ステークホルダーとの対話の技法 [石原正恵]
あとがき [石原正恵・赤石大輔・徳地直子]

*本書は、公益財団法人日本生命財団の協力により刊行されました。
 著者リスト他、書籍の詳細は、京都大学学術出版会ウェブページはこちらをご覧ください。