専門は認知心理学という実験系の心理学で、とくに対人コミュケニーションの基盤となるこころの仕組みに関心をもっています。1977年、京都大学教育学部を卒業、1982年に大学院博士課程を修了し、茨木市にある追手門学院大学に勤めたのち、1997年、京都大学教育学部に助教授として着任しました。2007年からはこころの未来研究センターに移り、2020年3月に定年退職しました。
主な研究課題は、顔や表情の認識を中心に、他者とやりとりするときの心の働きの基本的な特徴を明らかにすることです。これまで、平均顔を用いた顔の魅力研究や顔の記憶研究、fMRIを用いた表情の認知特性とその神経基盤の研究などを行ってきました。また、現実場面でのコミュニケーションにも関心があり、心理カウンセラーとクライエントの対話について、それぞれ発話時間や沈黙の長さ、身体同調の強さといった指標を手掛かりに分析したり、マスクをした看護師さんの言葉が患者さんにどのように受け取られるのかといった研究も行ってきました。
フィールド研では、森里海連環学における「人」に着目した研究、とくに自然とのつながりや自然に親しむことが人のこころに及ぼす影響について、実証的に検証する研究を行いたいと考えています。森林のもつストレス低減効果などに関する心理学研究はこれまでにもいくつか発表されていますが、自然と触れ合うことのポジティブな効果に関してはまだ十分は裏付けがありません。高層マンションに住み、高層のオフィスビルで仕事をするといった都市の居住環境が、長期的にみて人のこころにどのような影響を及ぼすのかを考えるうえでも、フィールドでの実証研究は重要と考えています。どうぞよろしくお願いします。
(フィールド研における経歴とページ履歴 情報整理 2020-07-14)
2020-04-01 フィールド科学教育研究センター 特任教授
2020-07-14 http://fserc.kyoto-u.ac.jp/wp/staff/yoshikawa でページ公開