新刊書『環境意識調査法-環境シナリオと人びとの選好』

森林資源管理学分野 吉岡崇仁



 フィールド研の上賀茂試験地に隣接する人間文化研究機構の総合地球環境学研究所が実施した研究プロジェクト「流域環境の質と環境意識の関係解明」(環境意識プロジェクト)には、フィールド研の研究者・院生、和歌山研究林のスタッフなどが大勢参画し、2009年の3月に終了しました。このたび、勁草書房より成果本として『環境意識調査法―環境シナリオと人びとの選好』(プロジェクト監修、吉岡編)が発刊されました。
 本書の構成は次のようになっています。

第1章 環境意識を理解する
第2章 環境意識調査における調査対象および調査方法の設定
第3章 人びとの環境への関心をさぐる
第4章 環境変動を予測しシナリオ群を作成する
第5章 シナリオを使って人びとの環境意識を解きほぐす
第6章 住民会議で環境の将来像をデザインする
第7章 シナリオを用いた環境意識調査法を環境施策に活かす

 本書では、環境シナリオを用いた環境意識調査について、概念的な考察から、シナリオの作成、意識調査の設計と調査結果の解析などそれぞれの段階に分けて実際の調査の事例とともに解説されています。環境アセスメントに不可欠な住民参加を実現するための取り組みにも役立つことを目指しています。

ニュースレター19号  2010年3月 教育ノート