甲斐 嘉晃助教が2020年度 日本魚類学会 論文賞を受賞

2020年10月31日に、フィールド研 甲斐 嘉晃 助教が、日本魚類学会 論文賞を受賞しました。

受賞論文のタイトルは、以下の通りです。
 Taxonomic review of the Sebastes vulpes complex (Scorpaenoidei: Sebastidae)
 Muto, Nozomu; Kai, Yoshiaki; Nakabo, Tetsuji Ichthyological Research. 2018, 66(1), p.9-29.
 https://doi.org/10.1007/s10228-018-0641-8

(研究の紹介)
 本論文は、キツネメバル種群の分類学的混乱を解決した論文です。これまで筆頭著者を中心とした研究グループにより、本種群には地域ごとに交雑の頻度が異なる複数種が含まれることが明らかとなっていました。交雑が存在する=種の定義が曖昧であるという、分類学的には極めて困難な問題に対し、多遺伝子座の情報とタイプ標本を含めた形態の精査から確率的な議論を行い、キツネメバル Sebastes vulpes とタヌキメバル Sebastes zonatus の2種を有効として再記載を行いました。
(受賞理由)
 貴殿らの上記の論文はメバル属キツネメバル種群の分類学的な混乱や種間交雑の問題に対して緻密な分類学的検討に加え集団遺伝学的なデータを効果的に援用しながら見事な解決を与えたものとして高く評価されました。
この優れた研究成果を称えここに本賞を授与します。