カテゴリー
研究活動

気仙沼市舞根湾における潜水調査2012年7月

唐桑町舞根潜水調査報告書8

2012年7月21日 益田玲爾

 2012年7月17日,気仙沼市唐桑町舞根周辺において,これまでと同様の方法で潜水調査を行った.操船は畠山信さん,船上サポートは田中克先生.増田美奈子さんが九々鳴浜では一緒に潜り,以後は船上サポート.調査は14時16分から16時55分の間に,九々鳴浜沖,舞根湾口部,湾内ガラモ場,湾奥の順で行い,それぞれ30分ほど潜水観察した.魚類相の記録後,ビデオカメラによる撮影を各点で行った.天気は曇り,水温は表面が20.0〜21.5℃,海底が12.5〜15.4℃であった. 魚種の同定では,中山耕至先生にアドバイスを頂いた.

湾外斜面九々鳴浜沖
 アイナメ,クジメ,タケギンポ,リュウグウハゼ,スジハゼを確認.前回,ここに多数いたタケギンポは今回は見られなかった.透明度は低く,ミズクラゲが多かった.表面と海底の水温差が大きく,このためか温帯種のミズクラゲと冷水系のキタミズクラゲが同所的に見られた.マナマコ(写真1)の個体数がこれまでよりも多かった.

湾口部
 アイナメ(写真2),タケギンポ,リュウグウハゼ,シマハゼ,マコガレイ(写真3)が見られた.ミズクラゲとマヒトデが多数見られた(写真4).養殖筏の周辺に,キヌバリやアサヒアナハゼが多くいた(写真5).

湾内ガラモ場
 アイナメ,アサヒアナハゼ,メバル,タケギンポ,キヌバリ,ニクハゼが見られた.タケギンポは,2ヶ月前の潜水時よりも成長しているものの,数は減っている.

湾奥
 アイナメ,アサヒアナハゼ,アシシロハゼ(写真6),スジハゼ,マコガレイを確認.

考察
 前回に比べてタケギンポ稚魚の数が減少しているのは,何者かに捕食されたためと考えられる.アイナメ,スズキ,マアナゴといった魚が捕食者の候補として挙げられる.すべての調査地点でアイナメが見られ,その体長範囲は8〜20cmと前回の観察時よりも成長しているようであった.湾奥ではアシシロハゼが2個体見られた.湾奥では泥の堆積が進んでおり,淡水の流入もあって,汽水域で優占する本種に好適な環境となりつつあるのかもしれない.

参考
気仙沼市舞根湾における潜水調査2012年5月
気仙沼市舞根湾における潜水調査(2011年5月から2012年1月までの調査報告)
東北地方復興支援学生ボランティア(総合案内ページ)