月別アーカイブ: 2022年1月

水道設備のメンテナンス(2)

前回報告した水道設備のメンテナンス(1)により、水道の濁りと水流は回復しましたが、その数日後には簡易水洗トイレの水が出にくくなったので、トイレタンクのフィルター掃除を行いました。

トイレタンク内にあるフロート部の管の入口にメッシュのフィルターがあるので、フロート部を取り外します。フィルターに詰まった砂などをメッシュを破損しないように丁寧に取り除きました。フロート部などを元通りに設置し、水漏れと通水を確認して作業完了です。

和歌山研究林は森林の教育・研究のため、事務所も森林に囲まれた僻地に設置されており、町からは遠く、専門業者の対応もすぐには受けられない環境にあります。このため、利用者の不便を軽減するためには、職員は細かな部分の保守についても早急に対応しなければなりません。

タンクのフタを開ける前に蛇口を取り外す

フタを開けてタンク内のフロートを取り外す

ゴミがたまったフィルター部分

フィルター部分を掃除する

きれいになったフィルター

元通りに設置して通水確認

水道設備のメンテナンス(1)

和歌山研究林では上水道がなく、近くの沢から直接水を引いて使用しています。このため、細かい砂などが常に流れ込んでくる状態のため、建物に入る直前に設置している砂取り器・浄水器・除菌器を通して使用しています。これらの設備は定期的なメンテナンスを行っています。

冬期は凍結防止のため、ほとんどの蛇口から水を流している状態のため取扱水量が多くなり、浄水器のろ過機能が追い付かず、水の濁りや詰まりなどが発生しやすくなります。今回は水の濁りと水流の減少が発生したので、砂取り器と浄水器のフィルター掃除を行いました。いずれのフィルターにも多くの泥や砂がたまっていました。これらのフィルターを掃除したり、きれいなフィルターに入れ替えをして、元通りに設置しました。このような作業は一般的な上水道を使用しているところでは行わないと思いますが、上水道のない和歌山研究林ならではの作業であると思います。

左から砂取り器、除菌器、浄水器

砂取り器のふたを外してフィルターを掃除する

浄水器の中は多くの泥が付着していた

浄水器のフィルターを取り出して掃除する

きれいなフィルターを配置する

水が漏れないように浄水器のふたを締め付ける

2021年度 ウッズサイエンス閉校式

2022年1月11日に有田中央高等学校清水分校でウッズサイエンスの閉校式を行いました。

この授業は、和歌山県立有田中央高等学校清水分校との共催で3年生を対象に2002年度より開講しており、清水分校の学校設定科目(通年)の一つとして地域の主要な産業である林業や、身近な環境である森林について学習することを目的としています。今年度からは有田川町関係機関で結ばれた四者協定の一環としても行われました。

閉校式では、和歌山研究林長の徳地教授による森林における物質の動態に関する講義、それに関連した雨水などの水質計測実習が行わました。最後に1年間の授業を振り返り、レポートを作成してもらいました。

閉校式での徳地林長による講義

計器による水質計測

今年度のウッズサイエンスでは4月20日の開校式から閉校式まで全22回の授業を行いました。1学期は主に分校およびその周辺で行われ、森林や地域の林業に関する講義、研究林で行っている研究補助のほか、測量や測樹で使用する計測機器の使い方、林業で使用するチェーンソーなどの機械器具の操作について学習しました。2学期は主に研究林で行われ、1学期で学んだ内容を生かして、林内でのプロット設定や毎木調査、チェーンソーを用いた伐採体験、油圧ショベルなどの大型機械の操作体験、樹木識別や調査データのまとめ方など、森林や林業に関する幅広い分野について学習しました。

今年度は女子学生1名と少ない受講生でしたが、とても意欲的に取り組んでくれました。まとめのレポートでは、「コンパスやレベルの設置が難しかった。」「三角関数を駆使して樹高を測定する過程は達成感があった。」「チェーンソーや大型機械の操作など貴重な経験ができて楽しかった。」「林業は予想以上に繊細で、体力のいる仕事であると実感した。」「樹木の見分け方や京大の森の特徴を詳しく知ることができて勉強になった。」「森・里・海という視点で自然の形を知ることは新鮮であった。」などの感想をいただき、この授業が有意義であったものであろうと、職員としてはうれしく思っています。この授業を通して得られたことを、この先の進路においても、何らかの形で役立ててもらえれば幸いです。一年間お疲れ様でした。

 

開校式での長谷川准教授による講義

校庭でのコンパス測量

測量結果をまとめる内業

苦労したレベルの設置

チェーンソーの取り扱いについて学習

刈払い機による下刈体験

アマゴの捕獲調査(神戸大の研究補助)

樹木識別実習

チェーンソーによる伐採体験

ホイールローダの操作体験

コンパス測量によるプロット設置

天然林での毎木調査

 

雪化粧の新年

2022年がスタートしました。

昨年末は寒波の影響で10㎝程度の積雪がありましたが、その後は穏やかな天気が続き、新年仕事始めは積雪の少ない状態でしたが、1月6日は早朝から雪が降り積もり、昼頃までに7㎝程度の積雪になりました。

和歌山研究林は他の研究林と比べて積雪は少ないですが、谷底にあることから冬季は日が当たらず冷え込みも厳しいため、一旦積雪があるとなかなか解けません。さらに、路面に解け残った雪があると、夜間の冷え込みにより凍結し、車両で事務所から公道に出る急傾斜の取り付け道を登る際にスリップして危険なこともあるため、こまめな除雪が必要になります。今回の雪は午後には止み、これ以上の積雪はなさそうですが、なるべく路面に雪を残さないよう丁寧に除雪を行いました。

本年も災害や事故のない一年になりますよう、よろしくお願い申し上げます。

※冬期間において和歌山研究林へは、冬用タイヤ等の装備でお越しいただくことを推奨いたします。

雪化粧の事務所構内

雪化粧のモミ・ツガ林

雪化粧のさがり滝

除雪後の事務所構内