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モニタリングサイト1000事業の毎木調査

12月2日より、環境省モニタリングサイト1000事業での毎木調査を実施しています。
モニタリングサイト1000とは全国1000カ所程度のモニタリングサイトにおいて、生態系の指標となる生物種の個体数変化等のデータを長期間継続的に収集していく事業です。
和歌山研究林では、その事業における「森林系コアサイト」として2005年より9林班八幡谷学術参考林(モミ・ツガの天然林)内に1haの調査プロットが設置されており、毎木や落葉・種子、甲虫、鳥類の調査を実施しています。

毎木調査は毎年実施しており、プロット内に生育する胸高周囲長が15cm以上のすべての樹木を対象に、樹種、太さ、位置を記録しています。前回の調査と同じ個体について、生死の確認、胸高周囲長の測定、新たに周囲長15cm以上になった個体の記録を行います。※胸高周囲長とは地上1.3mの位置での幹の周囲長で、樹木の太さの指標となり、毎回同じ位置で測定できるよう幹に目印(ライン)をつけています。

また、測定位置には釘などでタグをつけることはせず、マーカーで個体番号や測定ラインを記入するようにし、幹に傷をつけないよう配慮しています。タグは樹体への影響が少ないと思われる谷側の地際に釘で取り付けています。

和歌山研究林のサイト内には約1,600本の調査個体が生育しており、3日程度かけて調査を行います。
調査は3.4人の職員が協力して行い、測定者(2.3名)、記録者(1名)に分担して行います。
中には胸高周囲長が3mを超える個体もあり、メジャーを幹に巻き付けて測定するのが大変なこともあります。

このような地道な調査を長期間続けることにより、森林や生態系の動態の解明につながる一役を担っています。

 

調査は測定者と記録者に分担して行う

幹にマーカーで個体番号と測定位置を記入する

記入された番号と測定ライン

太い個体は幹にメジャーを巻き付けるのが大変

新たな個体は地際にタグを釘で取り付ける

調査地の林況(モミ・ツガが優占する)

固定標準地調査

2010年10月6日に5林班のスギ・ヒノキ造林地で固定標準地調査を行った。

この日は、4林班のコブトチ見本林まで車で行き、作業道コブトチ線と歩道を歩いて調査地へ向かった。 今回調査を行った造林地は、昭和15年から16年にかけて造林されたところで調査木の樹高が高く、そのため樹高測定の際に木の先端を見通すことが難しかった。

胸高直径を測定

個体番号を記入

調査木の先端を探す

コンパスで角度を測定