フィールド科学教育研究センターシンポジウム「芦生の森と‘ナラ枯れ’」

森林環境情報学分野 中島 皇 


 フィールド科学教育研究センターシンポジウム 「芦生の森と‘ナラ枯れ’」が2003年9月27日(土)の午後1時から4時半まで,京都市国際交流会館において開催された。参加者は103名であった。
 このシンポジウムは2002年に芦生研究林で発生したナラ枯れについての現況と対策や日本におけるナラ枯れ研究の現状を紹介し,この問題に関心を持っている多くの人々と,ナラ枯れ問題の所在,木と昆虫と菌の微妙な関係,人と森の関わりなどについて広く意見を交換し,議論を行い,問題解決の糸口を探ることを目的としている。
 前半の講演では,芦生研究林の中島林長から研究林と芦生の森の紹介があった後,ナラ枯れ問題の現場や研究の第一線で活躍している研究者3名(京都府林業試験場の小林技師,金沢大学自然科学研究科の鎌田助教授,三重大学生物資源学部の伊藤助教授)からそれぞれの専門に関連する,被害の実態,研究の現状,防除対策等の科学的データについて詳しく,解りやすい話題提供があり,最後に京都大学農学研究科の山崎助手から芦生研究林における防除の取り組みの報告があった。
 後半部では行政,マスコミ,自然保護団体など(京都府森林保全課の松下課長,朝日新聞大阪本社の石井編集委員,芦生の自然を守り生かす会の主原副会長)の代表も加わって「ナラ枯れ -木と虫と菌の複雑な関わり-」のテーマでフィールド科学教育研究センターの竹内教授の司会によってパネルディスカッションが行われた。まず,新たに加わった3名のパネラーから自己紹介があり,それに引き続いてディスカッションが始められた。会場からも質問や要望,問題点の指摘など活発な議論が行われ,予定の1時間は短く感じられた。
 シンポジウム終了後のアンケートでも,議論をする時間がもっとほしかったとの意見が多く寄せられこの問題に対するの関心の高さがうかがわれた。また,今後ともこのような機会を数多く設け,一般に向けて情報発信をしていくことを歓迎するという意見が見られ,フィールド科学教育研究センターとしても,このような要望に積極的に応えていくためにも,このようなシンポジウムを開催していく必要性を感じている。

ニュースレター1号 2004年 2月