瀬戸臨海実験所100周年記念式典・講演会・特別展示

瀬戸臨海実験所長/基礎海洋生物学分野准教授 下村通誉

 瀬戸臨海実験所は、1922年(大正11年)に京都帝國大学瀬戸臨海研究所として、当時の瀬戸鉛山村の番所崎の桔梗平と呼ばれた地に創設されて以来、2022年(令和4年)に創立100周年を迎えました。この節目を迎えるにあたり、創立100周年記念事業として11月27日に白浜町のホテルシーモアにて、瀬戸臨海実験所創立100周年記念の祝賀会をオンラインと対面で実施しました。
 祝賀会は、3部構成で行いました。第1部は開会とお祝いの言葉をいただく式典を執り行いました。下村からの開会挨拶のあと、朝倉彰センター長と湊長博総長より式辞をいただきました。続いて、塩田剛志文部科学省専門教育課長(ビデオメッセージ)、白山義久海洋研究開発機構科学アドバイザー/京都大学名誉教授、井澗誠白浜町長、遊佐陽一奈良女子大学副学長よりご祝辞をたまわりました。第2部は実験所の運営と活動に永年多大なご協力をいただいてきた瀬戸部と漁業協同組合(堅田漁業協同組合、新庄漁業協同組合、和歌山南漁業協同組合)へ感謝状と記念品の贈呈式を行いました。休憩ののち、第3部として記念講演会を行いました。記念講演会は山守瑠奈助教の司会で進行し、朝倉彰センター長「瀬戸臨海実験所100年の歴史」、下村通誉所長「瀬戸臨海実験所と海産無脊椎動物の研究(系統分類)」、後藤龍太郎助教「瀬戸臨海実験所と海産無脊椎動物の研究(生態)」、中野智之講師(職階は当時)「畠島一世紀間調査と環境変動」、河村真理子研究員「瀬戸臨海実験所の教育拠点としての活動」、加藤哲哉技術専門員「白浜水族館の歴史」の6題の講演を行い、実験所のこれまでの100年のあゆみを振り返り、これからの100年に向けての抱負を述べました。最後に、舘野隆之輔副センター長より閉会の挨拶をいただき、コロナ禍ではありましたが会場の参加者95人と、盛会のうちに式典を無事に終了することができました。対面参加者には記念グッズ(記念冊子、トートバッグ、絵葉書、クリアファイル)を配布し好評でした。また、白浜水族館では特別企画展として2022年7月28日から2023年1月10日まで「写真で振り返る瀬戸臨海実験所の100年」を開催しました。実験所の歴史や歴代所長、顕著な業績を残した研究者らを写真と共に紹介し、これまで実験所で使ってきた潜水ヘルメットや採泥器などの研究道具を展示しました。
 この度の瀬戸臨海実験所100周年記念祝賀会は多くの方々のご協力とご寄付によって開催することができました。この場を借りて心からお礼申し上げます。

年報20号 2022年度 主な取り組み