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アマゴプロジェクト報告会について

2019年3月9日に有田川町きびドーム にて「有田川流域アマゴの健康診断プロジェクト」の報告会が開催されました。
このプロジェクトは、神戸大学大学院理学研究科の佐藤拓哉准教授らの研究グループと京都大学フィールド科学教育研究センターの徳地直子教授らが、地元や関西圏の釣り人の皆さんと共同で、有田川流域の在来アマゴを探し、その遺伝的多様性や周囲の環境状態を評価しようとするものです。
今回の報告会では、2018年に釣り人の皆さんが中心になって集めた約30河川のアマゴのサンプル(鰭の一部)をDNA分析した結果が紹介されました。今年も同様の調査とDNA分析を継続することで、有田川流域で昔から育まれてきた在来アマゴが見つかる可能性があるとのことです。

※このプロジェクトは、パタゴニアの環境活動研究助成と日本財団・京都大学森里海連環再生プログラムの助成事業として実施されています。

報告会の様子

アマゴについての解説

[イベント報告]森里海連環の再生にむけた流域の取組み 最初の集い

「森と川と海が育む有田川のアマゴ~講演会とアマゴの健康診断~」と題して、2018年5月12、13日に森里海連環の再生にむけた流域の取組み 最初の集い が行われました。

12日は有田川町清水文化センターにて講演会が行われました。5件の講演のほか、総合討論「アマゴと有田川町の未来について」も行われ、町内の住民の方々や県内の漁業関係者の皆さん、県外からの釣り人の皆さんなどを交え、活発な議論が行われました。

また13日は事前申込の方を対象に、和歌山研究林および周辺の渓流にて、アマゴの健康診断プロジェクトに関する現地検討会が行われました。あいにくの雨天となりましたが、釣り上げたアマゴのデータを収集する本プロジェクトの意義について解説が行われ、釣り場管理や地域活性化への今後の展開について、情報交換が行われました。

講演者の方々と演題
1.德地直子 京都大学・教授
「はじめに:森里海連環ってなんのこと?」
2.清水夏樹 京都大学・特定准教授
「有田川からはじまる地域の元気-地域活性化のヒント-」
3.前川正  有田川漁業協同組合長
「有田川流域における漁場管理の実際」
4.佐藤成史 フィッシングジャーナリスト
「日本の渓流釣りの現状と渓流漁場の持続的管理への釣り人の関わり」
5.佐藤拓哉 神戸大学・准教授
「流域の環境が語るアマゴの未来-漁協、釣り人、研究者による渓流漁場管理の実践にむけて」

主催
・京都大学フィールド科学教育研究センター
・京都大学学際融合教育研究推進センター森里海連環学教育研究ユニット
後援
・有田川町
・有田川漁業協同組合

この事業は、日本財団・日本生命財団の助成事業です。

12日 会場の様子

12日 総合討論

13日 佐藤成史氏による渓流釣りの実演

13日 採取したアマゴの計測実演と解説

擁壁裏込め材改良工

5月13日から8月5日にかけて、11林班丸太集積場擁壁の裏込め材改良工を行いました。
5、6月はバケット容量0.45㎥用スケルトンバケツ(80mm×80mmマス目)をリースし、裏込め材の生産を行いました。
7月上旬からは裏込め部不良土壌の除去をミニ油圧ショベルと油圧ショベルで行い、7月下旬からはクローラキャリアをリースし裏込め材を埋め戻しました。
最後に、裏込め材の流出を防ぐため、木組みを行いました。

スケルトンバケツで裏込め材の生産

スケルトンバケツで裏込め材の生産

ミニ油圧ショベルで不良土壌の除去

ミニ油圧ショベルで不良土壌の除去

不良土壌を取り除いた擁壁裏込め部

不良土壌を取り除いた擁壁裏込め部

クローラキャリアで埋め戻し

クローラキャリアで埋め戻し

裏込め材流出防止用の木組み

裏込め材流出防止用の木組み

裏込め材改良工の完成

裏込め材改良工の完成

大規模野外実験

2016年7月から8月にかけて、大型プールの設置等実験準備を行いました。
7月12日に大型プールを6個設置し、タンクから大型プールまでの導水管の設置を行いました。
8月3日には大型プールに砂利を敷き詰め、排水ホースの設置等行いました。

設置した大型プール

設置した大型プール

小型移動式クレーンで砂利集め

小型移動式クレーンで砂利集め

大型プール内に砂利を敷き詰める

大型プール内に砂利を敷き詰める

排水ホースの取付

排水ホースの取付

大規模野外実験

2016年3月末から、林道水越線上に新たな研究地の造成を始めました。
3月末は大型プール6個設置できる台地(上段5m×7m、下段6m×9m)の造成と、増水時の谷水越流による台地洗掘を防止するため木組みを行いました。
6月22日には給水ホース・貯水タンクの設置と、給水ホースに止水バルブの取付けを行い、導水確認を行いました。
今後は大型プールの設置を進めていきます。

大型プール設置用台地の造成

大型プール設置用台地の造成

谷水越流対策の木組み

谷水越流対策の木組み

給水ホースの固定

給水ホースの固定

止水バルブの取付

止水バルブの取付

横断排水溝(ロングU)設置

和歌山研究林では豪雨の際に路網被害を最小限に抑える対策として、昨年度より横断排水溝(ロングU)の増設を進めています。
2015年度は3箇所設置し、今年度は6月27日現在で3箇所の設置が完了しています。
(写真は昨年12月に設置した箇所)

床堀と型枠設置

床堀と型枠設置

ベース生コン打設

ベース生コン打設

ロングU設置

ロングU設置

埋め戻し

埋め戻し

大規模野外実験

2015年7月29日に大雨時の対策を行いました。
まず、給水口にゴミ詰まり防止用ネットの取り付けを行い、給水管にエアーの混入を防ぐための囲いを設置しました。
囲いの効果は大雨時にしか確認できませんが、給水が止まらないことを期待しています。

給水口にネットの取り付け

給水口にネットの取り付け

給水口に囲いを設置

給水口に囲いを設置

大規模野外実験

2015年7月1日に、前日からの降雨による被害の有無を確認するため、林内の巡視を行っていたところ、大型プールへの導水が止まっていました。
状況を確認したところ、谷の水量が増え給水口から空気が入ってしまい、サイフォンが上手く作用しなくなったことが原因だと思われます。
実験を開始するまでに給水口の改良が必要になりました。

泡立つ給水口

泡立つ給水口